ガソリンツーバーナーの使い方
ガソリンツーバーナーは、カセットガス式のバーナーより点火が面倒です。
でも、その面倒も「儀式」だと思って点火させれば苦にならないことを最近学びました。
ここではその儀式の方法をご紹介します。
① タンクを取り出す
まずケースからタンクを取り出し、燃料が入っているか確認します。
燃料は満タンに入れてしまうとタンクに圧力をかけることができなくなってしまいますので、半分から7割位に抑えておきましょう。
② ポンピング
写真、赤矢印の部分のポンプノブを引き出し、100回程ポンピングします。
このとき、真ん中の穴を指の腹で塞ぎながらポンピングをしないと圧力をかけることができませんので注意してください。
③ タンクのセット
ジェネレーターを赤矢印の部分に差し込み、タンクをセットします。
④ 点火
点火の際にガスを濃くするため、点火レバーを上に回します。
燃料バルブを一杯に回してガスを出し、マッチやライターなどで点火してください。
点火して火が安定したら点火レバーを下に回し、火力が安定したら燃料バルブを回して火力を調整しましょう。
メインバーナーに点火した時は、一時的に大きな炎が上がります。これは濃いガソリンが噴射しているためですが、ジェネレーターが熱せられて気化が進めば、赤かった炎は青く勢いがよくなってきます。
⑤ サブバーナー点火
左側面のサブバーナー用燃料バルブを回してガスを出し、マッチやライターなどで点火します。
このとき、メインバーナーの火力が安定するまで待ってからサブバーナーの燃料バルブを開けましょう。
これが点火の一連の儀式です。
特に暑い日に100回もポンピングしていると「面倒だな~」と思いますが、これも儀式なんだと思って神聖な気持ちで心をこめて行いましょう(^-^)
ガソリンツーバーナーのメンテナンス方法
コールマンの商品は非常に耐久性が高く、ほとんどメンテナンスをしなくても調子が悪くなることは今までありませんでした。コールマンに対して僕が絶大な信頼を置いている理由がこれです。
ただ、僕のツーバーナーは60年前のもので、流石にちょっと、ということで、メンテナンスをすることにしました。
ガソリンツーバーナーのメンテナンス箇所とその方法を紹介したいと思います。
ポンプの点検・清掃・交換
ツーバーナーで一番調子が悪くなりがちなのは、燃料タンクに圧力をかけるポンプです。
ここが悪くなるとタンク内に圧力がかからなくなり、燃料が噴射しなくなります。
ポンピングした時にスカスカと手ごたえがない場合、ポンププランジャーの先端の穴を塞いでポンピングしているか確認してください。ここから空気が抜けてしまうと圧がかからなくなってしまいます。
また、ポンププランジャーの先端のポンプカップが乾燥していると空気が抜けてしまうので、ノブの元のキャップにある「OIL」と書かれた横にある穴に「LUBRICANT(リュブリカント)」と言うポンプカップ専用の特殊オイルを数滴注入し、圧力がかかるか確認してみて下さい。
その上でポンピングしても圧がかからない時は、ポンプカップの破損を疑います。
ポンププランジャーの根元にあるクリップをペンチで外すとプランジャーを外すことができます。
最近のものは元の黒いプラスチックの部分を回すと外すことができます。
これがポンプカップ。60年前のツーバーナーには革製のカップが付いています。
このカップが乾いていたり、割れや破損があれば交換しますが、僕のカップはまだ大丈夫そうです。
ポンプカップには革製とゴム製があります。昔はみんな革製だったのですが今のものはゴム製になっているようです。
今でも革製のポンプカップはコールマンで販売しています。好きな方を使えばよいのですが、僕が交換する時には革製を選んでいます。
革製は非常に耐久性が高く、50~60年前でも普通に使えます。しかし使っているうちに毛羽だってきて革のカスが逆流防止弁の目詰まりを起こすという欠点も。さらに、材質が革なので、質・厚さ・形状などの個体差が大きいといった欠点もありますが、革はリュブリカントを多く含むので、メンテナンスの頻度はゴムに比べて激減します。
ゴム製は20年も使うとゴムが硬化し縮んできますので革よりは耐久性に劣ります(20年も使えれば充分ですが)。
ゴムなので製造誤差は少なく、筒内の摩耗も少なく軽くポンピングすることができるのはメリットですね。ただ、ゴムはリュブリカントを吸収することがなく筒内のリュブリカントを拭い取ってしまうので、頻繁に注入する必要があります。
ニードルの点検・交換
次に気をつけれなければならないのは、ニードルです。
燃料バルブを回してこのニードルを前後させ噴射量をコントロールするのですが、これが磨耗していたり折れ曲がっていると、火力が安定しないどころか消火することもできなくなる、肝の部品です。
燃料バルブをしっかり閉めてポンピングして、ここから燃料が漏れる音がしないかチェックしましょう。
しっかりと穴がふさがっていれば燃料が漏れる音はしないはずです。もし「シュー」っと音がするようなら、ガスが漏れているため交換になります。
タンクに圧力を加えて他にも耳をすまして音がしないかチェックしてみましょう。
増し締めするか部品を交換することで、ツーバーナーはまた充分な働きをしてくてるはずです。
結論:「コールマンのツーバーナーしか勝たん!」
我が家のコールマンのガソリンツーバーナーは60年前のものです。
色や形、細かな部品は変わりましたが、基本的な構造や部品は今も昔もまったく変わっていません。
もし調子が悪くなったり壊れたとしても、交換部品は容易に手に入り、また使い続けることができます。
これは凄いことです。
1960年以前の自動車の部品で、今でも新品で手に入るものはないでしょう。
これは60年前に完成され、今現在でも通用する商品だということに他なりません。
寒さに強く、火力が強く、メンテナンスすれば長持ちし、壊れたとしてもすぐに治せるコールマンのガソリンツーバーナーは、一度手に入れれば一生モノ。
多少大きくて重かったり、使うのが面倒だったりしても、僕は信頼できる相棒として、死ぬまで使い続けると思います。