【寒さ対策】ベテランキャンパーに聞く! 冬キャンプを楽しむための服装選び

初心者にとってハードルの高い冬キャンプ。
アウトドアを快適に過ごすためには、寒さはかなりの強敵です。
自分でキャンプをするようになって約2年が経った筆者ですが、冬キャンプはまだ片手で数える程の経験しかありません。
そんな初心者でも冬キャンプを楽しむ極意を、アウトドア雑誌「fam_mag」編集長であり「おぎやはぎのハピキャン (メ〜テレ)」の監修者でもある、ベテランキャンパーの槻真悟さんにインタビューしました!

槻 真悟氏
グッズ&ライフスタイル誌「fam_mag」の編集長。ファッション系モノ誌、カルチャー誌、スニーカー誌など、さまざまな紙媒体の編集に携わる。「おぎやはぎのハピキャン(メ~テレ)」の監修者でもある。
【基本編】冬キャンプの防寒対策の服装 レイヤリングを制すものは寒さを制す!?


筆者
冬キャンプの服装で、槻さんが意識していることは何でしょうか?

槻さん
首、手首、足首をなるべく冷やさないようにしています。
「首」が付く部位には大きな血管が通っているので、その部位が冷えると体感温度も下がってしまうためです。

筆者
なるほど!では、「首」部位を出さないように、とにかくたくさん着込めば良いのでしょうか?

槻さん
むやみにたくさん着込むというよりは、適切な厚み、適切な素材の衣類を適切なレイヤリングで身にまとうことがポイントです。
薄いものをたくさん着用しても、暖かくならないですからね…!

筆者
着込めば良いってもんじゃないんだ!素材や厚みを適材適所で着ていくことが、冬キャンプを快適に過ごすことに繋がるんですね。
レイヤリングとは?

筆者
そもそも、レイヤリングって何ですか?

槻さん
レイヤリングの考え方を、簡単に説明すると…
【レイヤリングとは】
服装を3層の重ね着(アウターレイヤー/ミドルレイヤー/ベースレイヤー)にすること。
- アウターレイヤー
防水・防風性のあるジャケットなど - ミドルレイヤー
身体を保温する目的の服、保温性があり、かつ通気性のあるもの - ベースレイヤー
汗を吸い取る吸水速乾性がある肌着、かつ保温もできるものなど
気温・天候別に服装を考えるテクもおすすめ!

槻さん
こんな感じです。また、気温や天候に応じて以下のような考え方で服装を選ぶのがおすすめです!
【気温・天候別の服装の考え方】
- 最低気温-3~5℃程度&晴れの場合
素材にこだわりながらしっかりと着込む(基本のコーディネイト)
- 雪中キャンプの場合
基本のコーディネイト+防水を意識する
- 最低気温5~10℃程度&晴れの場合
基本のコーディネイトから気温に合わせて引き算をする

槻さん
基本の服装から、天候や気温に合わせて足したり引いたりしていくことが大切ですよ。

筆者
ベースのコーディネートを決めておけば、服装にあれこれ悩まなくてよさそう。この方法なら初心者でもチャレンジできるかも!
【実践編】冬キャンプの服装を気温・天気別に解説! レイヤリングコーディネートの参考に◎

筆者
首を隠す、レイヤリングをする...というのはわかったけど...もっとカンタンに、初心者にもわかるように参考例を出して説明してもらえないでしょうか…!?

槻さん
では、具体的な気温ごとにレイヤリングの服装提案をしていきます!
最低気温-3~5℃で晴れている場合のレイヤリング

【上半身】
- ベースレイヤー
厚手生地のウールの下着 - ミドルレイヤー1
フリース - ミドルレイヤー2
(必要に応じてソフトシェル) - アウターレイヤー
ダウン(防水じゃなく撥水程度でOK/フィルパワーは高いほうが◎)
※補足
- ソフトシェルとは:ストレッチ性のあるソフトな素材かつ機能性に優れたウェア
- フィルパワーとは:羽毛のかさ高性を現す単位のこと
【下半身】
- 1層目
厚手生地のウールのタイツ - 2層目
フリースパンツ(またはダウンパンツ)
※補足
焚き火をする場合は、難燃素材のパンツを着用しましょう!化学繊維のものだと、火の粉が燃え移りやすく危険です。
【足元】
- アウトドアソックス二重履き(または厚手のウールソックス)
- 中綿入りのブーツ(THE NORTH FACE「ヌプシブーティー」など)
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)のヌプシブーティーは、もはや冬の定番ブーツですね。

筆者
キャンプ場でも履いている人を、よく見かけます。暖かく快適に過ごせそう。モコモコの見た目も可愛いですね!
雪中キャンプの場合のレイヤリング

【上半身】
- ベースレイヤー
厚手生地のウールの下着 - ミドルレイヤー1
フリース(またはソフトシェル) - ミドルレイヤー2
インナーダウン - アウターレイヤー
ハードシェル

槻さん
インナーダウンとしては、こちらがおすすめ!


槻さん
クルーネックタイプのインナーダウン。袖の着脱が可能で、ダウンジャケット・半袖ダウン・ダウンベストの3種類をコレひとつで手に入れられるのが魅力です。
【下半身】
- 1層目
厚手生地のウールのタイツ - 2層目
フリースパンツ - 3層目
レインパンツ
【足元】
- アウトドアソックス二重履き(または厚手のウールソックス)
- 防寒ブーツ(ソレル「カリブー」など)

カナダ生まれのウインターブーツブランド、ソレルの代表的なモデル「カリブー」は、発売からおよそ40年間変わらず愛されている、スタンダードなスタイルのブーツです。

筆者
ちなみに、ソレルのブーツは筆者も愛用しています!足首のふわふわが可愛くて暖かくて、冬キャンプでは手放せない一足です。
最低気温5~10℃で晴れている場合のレイヤリング

【上半身】
- ベースレイヤー
薄手のウールの下着 - ミドルレイヤー
フリース - アウターレイヤー
中綿入りのジャケット or 防風のシェル
【下半身】
- 1層目
薄手のウールのタイツ - 2層目
普通のパンツ(チノパン・デニムなど)
【足元】
- アウトドアソックス
- 普通のアウトドアブーツ(またはアウトドアスニーカー)

筆者
昼夜で寒暖差がある場合も、調節できるレイヤリングなら安心ですね。
この方法なら真冬から春先までも、快適にキャンプができそう!