キャンプ場でときどき見かける「ドラム缶風呂」。自然を肌で感じられる開放感があるだけでなく、普段のお風呂とは一味違った非日常的な感覚も味わえます。実は、ドラム缶風呂は簡単に手作りすることも可能です!この記事では、ドラム缶風呂の作り方や必要な道具、注意点などを詳しく解説します。キャンプの楽しみの一つとして、ドラム缶風呂に挑戦してみてはいかがですか。
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ドラム缶風呂とは?

ドラム缶風呂とは、200リットル以上の大きなサイズの金属製ドラムを利用した簡易風呂です。水を入れたドラム缶を、下から薪などで加熱することでお湯を作り、入浴を楽しみます。
戦後の日本では、入浴施設が不足していた時期に即席の風呂として広く活用されていました。現在では、アウトドアやキャンプなどの特別な体験の一つとして人気を集めています。
ドラム缶風呂作りに必要な道具と材料
ドラム缶風呂は手作りすることも可能です。ここでは、ドラム缶風呂を作るために必要な道具や材料を詳しくご紹介します。
ドラム缶は200リットル以上のものを用意する
まず、人が入れるくらいの大きなサイズのドラム缶を用意しましょう。サイズの目安は以下のとおりです。
おすすめのサイズ
- 容量200リットル
- 内径約57cm
- 高さ約89cm
ホームセンターやネットショップで購入でき、値段は5,000円から1万円程度が相場です。
購入時のポイントとしては、新品もしくは食品用の中古品を選ぶこと。工業用の中古品は有害物資などが残っている恐れがあるため、ドラム缶風呂への利用はおすすめできません。
すのこは専用のものorDIYで用意する
ドラム缶の底部は直接火にかけるため、非常に高温になります。中にすのこを敷いて、足のやけどを防ぎましょう。
市販のドラム缶風呂専用すのこなら形状が丸く、そのまま使用できるので便利です。
また、木材をDIYしてすのこを自作してもOKです。
自作する場合、サイズはドラム缶の内径より一回り小さい大きさにするのがポイント。前で紹介した「おすすめのサイズ」のドラム缶を使用する場合は、直径約55cm程度にしましょう。
また、高さは6cm以上にして、厚みのある木材を使うと安定感がでます。ドラム缶の中に入れば、すのこの形は完全な円形にならなくても問題ありません。
ドラム缶を支えるブロックやレンガを複数用意する
ブロックやレンガはドラム缶の下に隙間を作り、ブロックやレンガで薪などを燃やすスペースを確保するために使用します。
ドラム缶を安定して支えられるよう、複数個のブロックやレンガを設置してください。目安としては、左右にそれぞれ4つ、後方に1~2つ程度設置すると安定します。

ブロックの厚みが薄い場合は重ねて使用する必要があるため、さらに数が必要となります。
80cm以上の高さの脚立を用意する
ドラム缶風呂の高さは土台を含めると120cmほどの高さになります。安全に出入りするために、高さ80cm以上の脚立を用意しましょう。
天板が広く足場台付きのものだと、より安定して昇り降りできますよ。
安全かつ快適に楽しむための道具を用意する
ドラム缶風呂を安全かつ快適に楽しむために、以下の道具も準備しておきましょう。
用意したほうがいい道具
- 薪や炭などの燃料:安定した火力を確保するために必要
- 温度計:お湯の温度を測り、適温(38〜42℃)に調整する際に便利
- バケツ:水を足して湯温を調整する際に便利
- ホース:水抜き栓がない場合、サイフォンの原理を利用して排水できる
また、ドラム缶風呂では火を使うため、もしものときのために消火グッズも備えておくと、より安心して楽しめるはずです。
ドラム缶風呂の作り方とは?

ドラム缶風呂作りに必要な材料や道具がわかったところで、ここからは作り方の手順を解説していきます。
実際に入浴する際の準備まで解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
手順1:土台を組み立てる
ドラム缶風呂の設置場所には、平らで安定した場所を選びましょう。
まずはブロックやレンガを使って土台を組み立てます。組み立てるときのポイントは以下のとおりです。
ポイント
- ドラム缶がしっかり固定されるように、3〜4点支持でブロックを配置する
- 薪を入れるスペースを確保できるよう、高さを調整する(必要に応じてブロックを積み重ねる)
- 必ず、まずは空のドラム缶を置いてみて安定しているかを確認する
手順2:ドラム缶を設置して水を入れる
作った土台の上に、ドラム缶をしっかりと乗せます。万が一、加熱中にドラム缶が転倒すると大事故につながるため、ぐらつきがないか慎重にチェックしましょう。
安全が確認できたら給水開始です。水量の目安はドラム缶の1/3から1/2程度。水を入れすぎると、お湯に浸かった際に、あふれて火が消えてしまう原因になってしまいます。
手順3:火を起こして加熱する
ドラム缶の下部に薪や炭をセットし、火を起こして加熱します。
大量の水を温めるため、火力が維持できるように薪などを追加しましょう。
気温や火力にもよりますが、約30〜40分ほどで40度前後の適温になります。寒い季節は熱が逃げやすいため、風除けを使うと火力が安定しやすいですよ。
手順4:すのこを設置して準備完了
お湯が適温になったら、ドラム缶の底にすのこを沈めます。すのこが浮く場合は足で押し込んで安定させましょう。
ここまで終われば、入浴前の準備は完了です。安全に注意しながら、入浴を楽しんでくださいね。
ドラム缶風呂の入り方とは?注意点も解説!

ドラム缶風呂の準備ができたら、以下の手順で入浴していきましょう。
入浴方法
- 温度計や手足で湯の温度を確かめ、適温であることを確認する
- 脚立を使って昇り、足からゆっくりと湯に浸かる
- すのこの上に立ってから、徐々に体を沈めていく
- こまめに休憩や水分補給をしながら入浴を楽しむ
- 出るときはタオルで体を軽く拭いてから慎重に脚立を降りる
ドラム缶は、側面はそれほど暑くなりませんが、底面は非常に高温になるため、湯温が適温であっても底面には直接触れないよう注意が必要です。
入浴後は手足が濡れていると滑りやすく危険なので、タオルで軽く体を拭いてから、ゆっくりと慎重に脚立を下りましょう。
また、ドラム缶風呂を安全に楽しむためには、事前の確認や適切な温度管理、排水方法などの注意点を押さえることが重要です。ここでは、設置前の確認事項や入浴時の注意点、排水のポイントについて詳しく解説します。
1.キャンプ場に事前確認する
キャンプ場などでドラム缶風呂を使う場合には、事前に問い合わせを行い、キャンプ場のルールを確認しておきましょう。
確認すべきポイント
- ドラム缶風呂の持ち込み、使用が禁止されていないか確認する
- 排水の方法について、ルールを確認する
- 直火の可否について確認し、直火NGの場合は焚き火台や耐火シートを使用すれば許可されるかを相談する
無許可で設置するとトラブルになったり、周囲に迷惑をかけたりすることにつながるため、必ずルールを守って楽しみましょう。
2.水着を着用してマナーに配慮する
ドラム缶風呂は公共の場での入浴となります。プライバシーや公衆道徳に配慮して、入浴の際には水着や濡れてもよい衣服を着用しましょう。
視線が気になる場合はテントやタープ、パーテーションなどで目隠しを作る手もあります。
自分だけでなく、周りも気持ちよく楽しむためには、マナーやルールを守ることが大切です。
3.やけどしないように温度調節する
ドラム缶風呂は家のお風呂と違って、適温になっても自動で加熱が止まることはありません。火傷や思わぬ事故につながる恐れもあるため、温度確認は慎重に行いましょう。
お湯の温度の目安は38〜42℃くらい。ぬるめが好きな人は38度前後、熱めが好きな人は42度前後がおすすめ。
また、安全に入浴するための温度調整のポイントは以下の通りです。
ポイント
- 薪を入れすぎると一気に熱くなるので、少しずつ薪を増やす
- 熱くなりすぎたときは、バケツで水を足して温度を下げる
- 底面はかなり熱くなるので、入浴前にはすのこが敷いてあるかを必ず確認する
- 子どもが入浴するときには、必ず大人が付き添う
- 入浴中も、温度計を使ってこまめに温度をチェックする
温度は手で触れても確認できますが、温度計を使ったほうが正確です。特に入浴中は体感よりも温度が上がっていることがあるので、温度計を使って確認しましょう。
4.一気に排水しない
大前提として、施設のルールに沿って排水することが大切ですが、以下のようなポイントにも注意しましょう。
ポイント
- 川や排水溝がある場合は、排水場所へゆっくりと流す
- 排水場所がない場合は、土の状況を確認しながら少しずつ地面に流す
- 熱いまま流すと環境に悪影響を与えるため、冷ましてから排水する
また「サイフォンの原理」を活用すると、ホースを使って安全に少量ずつ排水できます。
サイフォンの原理を使った排水手順
- 内径15mm以上、長さ2m以上のホースを準備する
- ホースの一方をドラム缶に沈めて、ホース内を水で満たす
- もう一方はドラム缶の外に出し、口を低い位置に置く
- 自然にお湯が流れ出すので排水を行う
途中でホースの位置を変えると空気が入って水が流れなくなるため、設置後は動かさないようにしましょう。
可能であれば、DIYでドラム缶の側面に水抜き栓を取り付けると、排水がよりスムーズになりますよ。
ポイントをおさえて安全にドラム缶風呂を楽しもう!

ドラム缶風呂は、非日常を楽しめるアウトドア体験のひとつです。
今回ご紹介した材料や手順を参考に、正しく設置し、安全に楽しみましょう。また、事前にキャンプ場のルールを確認し、ルールを守るのも大切です。
ルールやマナーを守りながら、安全第一で楽しめば、きっと忘れられない特別な体験ができるはずですよ!