キャンプ場の朝、テントから這い出してコーヒーを飲む時間は、何にも代えがたい至福のひとときですよね。よりおいしいコーヒーを淹れるために、「専用のケトルがほしい」と思う方も多いのではないでしょうか。でも、いざ探してみると素材も形も値段もバラバラで、どれがいいか迷ってしまいますよね。そこで今回は、「運命のケトル」を見つけるための選び方と、最新のおすすめアイテムを厳選してご紹介します。
- キャンプ用のケトルって本当に必要?代用アイデアもチェック
- 形と素材で決まる!キャンプ用ケトルの選び方4つのポイント
- 【やかんタイプ】安定感抜群!ファミリーや初心者におすすめのキャンプ用ケトル3選
- 【縦長タイプ】バランスの良い使い勝手が最高!ソロ・登山におすすめのキャンプ用ケトル3選
- 【寸胴・ポットタイプ】本格的な調理にも活躍!マルチに使えるおすすめのキャンプ用ケトル3選
- 【直火OK】焚き火調理に使える!高耐久なおすすめのキャンプ用ケトル3選
- 【ドリップ用】至福の一杯を!コーヒーに特化したおすすめのキャンプ用ケトル3選
- もっと便利に使おう!キャンプ用ケトルの「スタッキング術」
- スタイルに合わせて、キャンプ用ケトルで最高の「湯沸かし」体験を
この記事でわかること
- スタイル別(ソロ・ファミリー・焚き火・コーヒー)の失敗しないケトルの選び方がわかる
- 目的別のおすすめケトルがわかる
- キャンプの荷物を減らす「スタッキング術」や、クッカーで済ませる「代用アイデア」がわかる
キャンプ用のケトルって本当に必要?代用アイデアもチェック

そもそも、キャンプにケトルは必要なのでしょうか。「クッカーや鍋でお湯を沸かせばいいのでは?」という意見も一理あります。
ここでは、ケトルを使用するメリットや、手持ちの道具をケトルとして代用する方法を紹介していきます。
専用ケトルを用意するメリット
専用のケトルがあることで、お湯を注ぐときの安定感が格段に上がり、火傷のリスクも減らせます。
何より、お湯を沸かすためだけの道具を焚き火にくべる時間は、キャンプならではの贅沢な儀式のようなもの。
衛生面でも、料理の油汚れがついた鍋でコーヒーのお湯を沸かすより、専用ケトルがあった方が気持ちよく使えます。
代用アイデア
手持ちのクッカー(鍋)やシェラカップをケトルとして代用することもできます。
深型のクッカーならある程度の湯量を確保できますし、レトルトご飯を温めるのにも使えます。
ただし、ケトルとの決定的な違いは「注ぎにくさ」です。
鍋の縁からお湯を注ぐと、どうしてもドバっと出てしまったり、底を伝ってこぼれてしまったりしがち。コーヒーのドリップには不向きですし、カップ麺にお湯を入れる際も火傷に注意が必要です。
もしクッカーやシェラカップをケトルとして代用するなら、別売りの「後付け注ぎ口(スキッター)」などのアイテムを活用すると、使い勝手が劇的に向上しますよ。
形と素材で決まる!キャンプ用ケトルの選び方4つのポイント

ここでは、自分にぴったりの一台を見つけるための4つの基準を見ていきましょう。
1.形状・タイプで選ぶ
ケトルの形は、主に「やかんタイプ」「縦長タイプ」「寸胴・ポットタイプ」の3つに分けられます。
それぞれの特徴を理解して、自分のキャンプスタイルや収納事情にマッチするものを選びましょう。
| タイプ | 特徴・メリット | デメリット | おすすめシーン |
| やかんタイプ | ・底面が広く熱効率が良い ・お湯が早く沸く ・重心が低いため安定感抜群 | 横幅があるため収納時に場所を取りやすい。 | ファミリー、グループ、オートキャンプ |
| 縦長タイプ | ・スリムでバックパックの隙間に入れやすい ・深さがあるのでクッカー(鍋)としても代用可能 | 底面積が小さく、五徳によっては不安定になることも。 | ソロキャンプ、登山、ツーリング |
| 寸胴・ポットタイプ | ・大容量のものが多い ・蓋が大きく開くため、幅広い用途に使える | 重量が重たくなりがちで、注ぎ口の形状によってはドリップに不向き。 | 焚き火調理、冬キャンプ、大人数 |
「家族みんなのカップ麺用のお湯を一気に沸かしたい」なら安定感のあるやかんタイプ、「荷物を減らしてラーメンも作りたい」なら縦長タイプ、といった具合にイメージしてみると選びやすくなりますよ。
2.素材で選ぶ
素材の違いは、見た目の雰囲気だけでなく、使い勝手やメンテナンスの手間にも大きく関わります。
| 素材 | 特徴・メリット | デメリット |
| アルミ | ・非常に軽量で熱伝導率が高い ・価格も手頃なものが多く、初心者でも扱いやすい | ・衝撃に弱く凹みやすい ・保温性はやや低め |
| ステンレス | ・錆びにくく頑丈 ・焚き火で煤(すす)だらけになっても金たわしでガシガシ洗えるタフさが魅力 | ・アルミに比べると重い ・熱伝導率はやや劣る |
| 銅(コッパー) | ・熱伝導率が抜群に良く、すぐにお湯が沸く ・使い込むほどに飴色に変わる経年変化を楽しめる | ・価格が高価 ・緑青(サビ)が出ないよう手入れが必要 |
「とにかく楽に持ち運びたい」ならアルミ、「煤汚れを気にせず焚き火に突っ込みたい」ならステンレス、「一生モノとして育てたい」なら銅を選ぶのがおすすめです。
3.「直火(焚き火)」が可能かで選ぶ
キャンプの醍醐味である「焚き火」でお湯を沸かしたい場合、必ずチェックすべきなのが「直火(焚き火)対応」かどうかです。
焚き火の炎は予測不能な動きをすることもあり、多くのケトルはガスバーナーでの使用を想定しています。
焚き火ハンガーに吊るしたり、五徳の上に直置きしたりしたい場合は、パーツ全てが金属で作られている「オールメタル製」を選ぶと安心です。
また、吊り下げ用の「ツル(弦)」が付いているかどうかも確認しておきましょう。
本体が金属でも、取っ手やフタのつまみに樹脂やシリコンが使われていると、焚き火の熱で溶けてしまう恐れがあるので注意しましょう。
4.注ぎ口の形状で選ぶ
「ケトルで沸かしたお湯を何に使うか」で、注ぎ口の選び方も変わります。
コーヒーのハンドドリップを楽しみたいなら、お湯を細く静かに注げる「細口(グースネックなど)」が必須です。
細口だと湯量をコントロールしやすく、豆の膨らみを崩さずに抽出できます。
一方、カップ麺を作ったり、パスタを茹でるためのお湯を沸かしたりするのがメインなら、短くて太い「太口」が便利です。
一気にお湯を注げるのでストレスがなく、収納時にも注ぎ口が邪魔になりにくいというメリットがあります。
【やかんタイプ】安定感抜群!ファミリーや初心者におすすめのキャンプ用ケトル3選
1.コールマン「パッカアウェイケトル」
約150gと軽量で傷に強い、コールマンの定番モデル。
最大の特徴は「傾けてもフタが落ちない」独自設計で、お子様が注ぐ際も安心です。
底が広くお湯が早く沸く性能に加え、クッカーへのスタッキングもしやすく携行性にも優れているため、ファミリーキャンプに最適な一台です。
スペック
- 容量:0.6L
- サイズ:約15×13×8(h)cm
- 重量:約150g
- 素材:アルミニウム(ハードアノダイズド加工)、シリコン、ステンレス
- 直火:非推奨
2.ユニフレーム「山ケトル900」
「質実剛健」なロングセラーモデルです。
広口設計で中までしっかり洗えるため、衛生的に保ちやすくファミリーにも最適。
同社のクッカー「fan5」シリーズにスタッキングできる収納性の高さも、多くのキャンパーに愛される理由です。
スペック(900サイズ)
- 容量:0.9L
- サイズ:約Φ16.6×7.6(h)cm
- 重量:約186g
- 素材:本体・フタ/アルミニウム・アルマイト加工、ハンドル/ステンレス鋼、ツマミ/フェノール樹脂
- 直火:非推奨
3.キャンピングムーン(CAMPING MOON)「アルマイト フェミナ ケットル ケトル 2-3人用 1.5L S1500」
コスパの高さで人気の1.5L大容量モデル。
3〜4人分の湯沸かしに最適ながら、注ぎ口が短く設計されており収納性も抜群です。
硬質アルマイト加工で耐久性が高く、シックな外観もお洒落。ファミリーキャンプで活躍する一台です。
スペック
- 容量:1.5L
- サイズ:約φ185×95(h)mm
- 重量:約220g
- 素材:アルミ(アルマイト皮膜処理)
- 直火:非推奨
【縦長タイプ】バランスの良い使い勝手が最高!ソロ・登山におすすめのキャンプ用ケトル3選
1.スノーピーク「ケトルNo.1」
「ケトル」の名でありつつも、片手鍋のような使い方もでき、ラーメンも作れる万能ギアです。
0.9Lの容量はソロ調理に最適で、調理後にはそのまま食器としても使えます。
2種類のハンドルで扱いやすく、中にガス缶(OD缶)がすっぽり収まる収納性の高さも魅力です。
スペック(CS-068R)
- 容量:0.9L
- サイズ:150×140×96(h)mm
- 重量:290g
- 素材:ステンレス
- 直火:可(オールステンレス)
2.モンベル(mont‐bell)「アルパインケトル0.6L」
「湯沸かし」に特化した超軽量モデル。底面が広く設計されており、驚くほどのスピードでお湯が沸きます。
注ぎ口は液垂れしにくい加工が施され、細く注げるため簡易的なドリップも可能。
重量はたったの180gと、荷物を極限まで軽くしたい登山やソロキャンプに最適です。
スペック
- 容量:0.6L
- サイズ:Φ16.0×7.5cm
- 重量:180g
- 素材:本体/アルミニウム合金、ハンドルカバー/シリコーン
- 直火:非推奨
3.MSR「Titan Kettle 900mL」
チタン製で、軽さと丈夫さに加えて、所有欲も満たすケトルです。
金属臭がなく、900mlの大容量ながら驚異的な軽さを誇ります。
水切れの良い注ぎ口や、マグカップを収納できるスタッキング性能も優秀。一生モノとして愛用できる、キャンパー憧れのハイエンドギアです。
スペック
- 容量:0.9L
- サイズ:Φ124×112mm
- 重量:126g
- 素材:チタン、シリコン
- 直火:非推奨
【寸胴・ポットタイプ】本格的な調理にも活躍!マルチに使えるおすすめのキャンプ用ケトル3選
1.Sea to Summit「X-Pot ケトル」
側面がシリコン製で、ぺちゃんこに畳める革新的な折りたたみ式ケトルです。
収納時はわずか数センチの薄さになり、隙間にすっぽり収まります。
底面はアルミ製で熱伝導も確保されており、広口なので調理にも対応。荷物を減らしつつ便利さも求めたい方に最適です。
スペック
- 容量:1.3L
- サイズ:-
- 重量:186g
- 素材:シリコン、アルミニウム(底面)
- 直火:不可(本体がシリコン製のため)
2.GSI「グレイシャー ステンレスケトル」
無骨なデザインと使い勝手の良さを兼ね備えた、ガシガシ使える男前なケトルです。
高品質なステンレス製で、焚き火で煤けても金たわしで洗えるタフさが魅力。
さらに、寸胴型で安定感があるほか、広口なのでスープ作りやレトルトの温めにも重宝します。
スペック
- 容量:1.0L
- サイズ:15×15×16cm
- 重量:約265g
- 素材:ステンレス
- 直火:可
3.キャプテンスタッグ「ステンレス ラーメンクッカー570ml」
その名の通り、袋ラーメンを割らずにそのまま入れられるケトル兼用鍋です。
570mlの容量はソロラーメンに最適。注ぎ口付きなので、食後のコーヒー用のお湯もスムーズに注げます。
金物の町・燕三条製の高品質なステンレスボディで、調理から食器までこれ一つで完結する万能アイテムです。
スペック
- 容量:0.57L
- サイズ:幅105×全長150×高さ75mm
- 重量:170g
- 素材:ステンレス鋼
- 直火:可(オールステンレス)
【直火OK】焚き火調理に使える!高耐久なおすすめのキャンプ用ケトル3選
1.ファイヤーサイド「グランマーコッパーケトル(小)」
焚き火ケトルの最高峰と言える製品です。
日本の職人が手作業で作り上げる堅牢な作りで、親から子へと受け継ぐことができる一生モノの逸品。
銅製ならではの熱伝導の良さと、使い込むほどに風合いを増す「エイジング」が最大の魅力です。
スペック(小)
- 容量:3.3L(満水)/2.3L(適正)
- サイズ:18×22.2×24(h)cm
- 重量:1.1kg
- 素材:本体・蓋/銅(内側スズメッキ)、真鍮、ハンドル/ステンレス、木(ブナ)
- 直火:可
2.Trangia「ケトル 1.4L」
トランギアらしい、アルミ無垢のミニマルなデザインが魅力のケトルです。
ハンドルにラバーカバーがないため、焚き火調理にも使えます。
1.4Lと容量も十分ありながら、約200gの軽量性が魅力。持ち運びがしやすいのはもちろん、トライポッドに吊るすスタイルにも最適です。
スペック
- 容量:1.4L
- サイズ:Φ15.2×10.6(h)cm
- 重量:201g
- 素材:アルミ製(無垢)
- 直火:可
3.CAMPINGMOON「焚き火 ケトル 黒 直火 ファイアープレイスケトル 一体成形 BKSW-6」
焚き火調理に特化した、ステンレス製のモデルです。
注ぎ口には灰の混入を防ぐ「蓋」が付いていることに加え、吊り下げ用のツルも標準装備されているので、トライポッドでの使用に最適です。
機能性と価格のバランスが良く、気兼ねなく直火を楽しめます。
スペック
- 容量:1.5L(満水1.86L)
- サイズ:約φ145×210(h)mm
- 重量:約570g
- 素材:ステンレス304
- 直火:可
【ドリップ用】至福の一杯を!コーヒーに特化したおすすめのキャンプ用ケトル3選
1.HARIO(ハリオ)「 V60 銅 ドリップケトル ヴォーノ・カパー」
コーヒー器具の名門・ハリオが誇るドリップ専用モデルです。
輝く銅製ボディはサイトの雰囲気を格上げし、高い熱伝導率で素早くお湯を沸かせます。
計算し尽くされた細口で湯量を自在に操れるため、本格コーヒー派のための至高の一台です。
スペック
- 容量:0.7L(実用容量)
- サイズ:29×12.6×14.5(h)cm
- 重量:約600g(個箱含む)
- 素材:本体・フタ/銅、ハンドル/真鍮、フタツマミ/天然木、取っ手カバー/シリコーンゴム
- 直火:非推奨
2.コールマン「ファイアープレイスケトル」
焚き火の炎に耐える、タフなステンレス製のケトル。
注ぎ口の蓋が湯量を調整してくれるので、コーヒードリップもしやすい万能モデルとなっています。
グローブをしたままでも注ぎやすいハンドル設計も秀逸で、焚き火を眺めながらの至福の一杯に寄り添うアイテムです。
スペック
- 容量:約1.6L
- サイズ:約13×22×23(h)cm
- 重量:約570g
- 素材:ステンレス鋼
- 直火:可
3.ユニフレーム「キャンプケトル」
多くのベテランキャンパーが「最終的にこれに行き着く」と語る、名作中の名作です。
一見すると太めの注ぎ口に見えますが、内側に設けられた蓋(灰ガード)が湯量の調整弁のような役割を果たし、驚くほど細く、静かにお湯を注ぐことができます。
焚き火で豪快に沸かしたお湯で繊細なハンドドリップを行える、使いやすさ・耐久性・デザインのすべてが高水準な逸品です。
スペック
- 容量:1.6L
- サイズ:約Φ13×22(h)cm
- 重量:約600g
- 素材:ステンレス鋼
- 直火:可
もっと便利に使おう!キャンプ用ケトルの「スタッキング術」

ケトルに対して「収納場所を取る」「持ち運ぶ際にかさばる」と思っている方も多いはず。
実は、ケトルの中は絶好の収納スペースです。多くのケトルは、OD缶(アウトドア用ガス缶)や小型のバーナー、マグカップなどがすっぽり入るように設計されています。
例えば、コールマンの「パッカアウェイケトル」は110サイズのOD缶、スノーピークの「ケトルNo.1」は250サイズのOD缶やマグカップが収納可能です。
さらに、インスタントコーヒーやティーバッグ、ライターなどの小物をまとめて入れておくなど、便利な使い方ができます。
このようにデッドスペースを有効活用するスタッキング術を覚えておけば、ケトルを持っていく負担はぐっと減らせます。
スタイルに合わせて、キャンプ用ケトルで最高の「湯沸かし」体験を

キャンプで「お湯を沸かす」という行為は、ただの作業ではありません。
朝のコーヒー、夜のカップ麺、焚き火を見ながらスープなど。その一杯が、キャンプの思い出を温かく彩ってくれます。
ファミリーで手早く沸かしたいなら「やかんタイプ」、ソロで身軽に動きたいなら「縦長タイプ」、焚き火を愛するなら「直火対応ステンレス」、そしてコーヒーにこだわるなら「細口タイプ」。自分のキャンプスタイルにぴったりのケトルを選べば、不便さは「楽しさ」へと変わります。
お気に入りのケトルで沸かすお湯は、きっといつもより美味しく感じるはずです。
ぜひ、今回ご紹介した選び方とおすすめアイテムを参考に、長く付き合える相棒を見つけてくださいね。
























