キャンプでの熊対策|キャンプ場の選び方・注意点・おすすめグッズ5選を紹介

2025.10.26 更新

キャンプでの熊対策|キャンプ場の選び方・注意点・おすすめグッズ5選を紹介

サク

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キャンプ中に熊(クマ)に遭遇……なんて、考えたくもないですよね。しかし実際、キャンプ場での出没情報は年々増加中。だからこそ、事前の熊対策がとても大切なんです。この記事では、キャンプ場選びのポイント、そしておすすめの熊よけグッズ5選までしっかりご紹介します。安全第一で、キャンプを思いっきり楽しみましょう!

キャンプ場で熊(クマ)対策が必要な理由

近年、登山道やキャンプ場での熊の目撃情報が増えています。自然の中で過ごすキャンプでは、熊との距離が近くなることも。

なぜキャンプ場で熊対策が求められるのか、その背景と必要性について解説します。

なぜ熊(クマ)がキャンプ場に現れるのか?

熊がキャンプ場に出没する主な原因のひとつは、人と自然の境界があいまいになってきたためと言われています。

里山の荒廃や過疎化によって人の気配が薄れ、熊の行動範囲が人里へと広がっています。食べ物を探して、知らずにキャンプ場へ近づいてしまうことも少なくありません。

日本に生息する熊は、主に以下の2種類です。

  • ツキノワグマ(本州・四国に生息)
    木の実や昆虫などを食べる雑食性。体長は1.2〜1.8m程度。
  • ヒグマ(北海道に生息)
    鹿の死骸や魚も食べる大型雑食性。体長は2mに達する個体も。

どちらも雑食で、食べ物を探して行動範囲が広がることがあります。

とはいえ、本来熊はとても臆病と言われ、人に近づきたいわけではありません。出会ってしまうのは、環境の変化が原因のことがほとんど。熊と自然の中でうまく距離を取りながら、共に暮らしていく姿勢が大切です。

熊(クマ)に遭遇するリスク・危険性

熊に襲われるリスクは、残念ながら年々高まっており、全国で重傷・死亡事故も相次いでいます。ふだんは警戒心の強い動物ですが、出くわした状況によっては防衛反応として襲ってくることがあり、とくに子グマが近くにいる場合や、エサを守ろうとしているときは要注意です。

ヒグマは体格も筋力も桁違いで、ひとたび襲われれば命の危険すらあります。実際に顔や頭部を負傷する深刻な事例も各地で報告されており、「遭遇=事故」となりかねません。

大切なのは、「熊が怖いから自然に行かない」ではなく、「遭遇しない工夫」を徹底しながら、安全に自然を楽しむこと。そのために何ができるかを知ることが、第一の対策になります。

キャンプ場で熊(クマ)に遭遇しやすい時期と時間帯

熊に遭遇するリスクを減らすには、出没しやすい時期や時間帯を知っておくことが大切です。

ここでは、熊の活動が活発になる季節や時間帯の傾向について解説します。

【時期】春と秋は特に注意が必要

熊に遭遇するリスクが高まるのは、春と秋と言われています。

春は冬眠から目覚めたばかりで空腹の状態が続き、食べ物を求めて活発に動き始めます。秋は冬眠に備えて栄養を蓄えるため、行動範囲が広がりやすくなります。

特に山間部や里山では、どちらの季節も出没が増える傾向があります。

熊の活動時期は一般的に以下のとおりです。

  • 冬眠明けの3〜5月ごろ(春先)
  • 冬眠前の9〜11月ごろ(秋口)

この時期にキャンプをする場合は、事前に地域の出没情報を確認し、熊対策をしっかり行うことが大切です。

【時間帯】早朝・夕暮れ時は警戒が必要

熊に遭遇しやすい時間帯は、早朝や夕方の薄暗い時間と言われます。

とくに日の出前や日没後は、熊の行動が活発になる傾向があります。これは、熊が人目を避けて動く習性を持っているためです。

注意が必要な時間帯

  • 日の出前〜朝の早い時間
  • 日没直後〜夕暮れどき
  • 曇りや雨など薄暗い天候の日中

このような時間帯にキャンプ場内を移動する場合は、音を立てて自分の存在を知らせる工夫をしましょう。熊と鉢合わせしないためにも、活動時間を意識した行動を心がけてください。

熊(クマ)が出ないキャンプ場の選び方

熊との遭遇リスクを下げるには、キャンプ場選びが大切です。

ただし、どのキャンプ場でも「絶対に熊が出ない」とは言い切れません。

そこでここでは、熊の出没可能性が低い場所を選ぶためのチェックポイントや、安心して利用しやすいキャンプ場の特徴について紹介します。

熊(クマ)出没情報を事前にチェックする

安全にキャンプを楽しむためには、出発前に熊の出没情報を確認することが大切です。特に北海道や山間部では、事前の情報収集がリスクを減らす大きな手助けになります。

チェック方法の例

SNSなどは非公式ながらリアルな声が得られる一方、情報の真偽を見極める冷静さも大切です。

複数の情報源に目を通し、その日の状況を把握したうえでキャンプ場を選びましょう。小さな手間が大きな安心につながります。

フードロッカー・食糧庫の有無を確認する

熊対策をしっかりしたいなら、フードロッカー(食糧庫)のあるキャンプ場を選ぶのがおすすめです。

フードロッカーとは、キャンプ中の食料やゴミなどを熊から守るために保管する専用の収納設備のこと。匂いをしっかり遮ってくれるので、熊を寄せつけにくくしてくれます。

たとえば、上高地の小梨平キャンプ場北海道・大雪山の白雲岳避難小屋では、丈夫な食糧庫が設置されていて、利用者はそこに食料を保管するルールになっています。

実際、こうした対策によってテントが襲われる被害は減っています。キャンプ場を選ぶときは、安全性の高い設備が整っているかもぜひチェックしてみてください。

キャンプ場で熊(クマ)に狙われないための対策

キャンプ中の安全を守るためには、熊を引き寄せない工夫が大切です。

キャンプ場で熊に狙われにくくするための基本的な対策は、以下のとおりです。

  • 食べ残しやゴミは必ず密閉・管理
  • キャンプ場のルールに従う
  • 熊の生態を理解しておく
  • 熊よけ対策グッズを活用する

食べ残しやゴミは必ず密閉・管理

熊に近づかれないためには、食べ残しやゴミの管理がとても大事です。熊は匂いに敏感で、ほんの少しの食べかすや飲み物のにおいにも反応してしまいます。

食料やゴミは密閉袋やクーラーボックスに入れて、テントの中ではなく、車の中や決められた保管場所に置くようにしましょう。炊事場やゴミ箱まわりにも、食べかすが残らないように気をつけたいですね。

特におすすめなのが蓋付きのキャンプ用ゴミ箱。しっかり密閉できるタイプなら、においも抑えられて熊対策にぴったりです。

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キャンプ場のルールに従う

熊対策として大切なのは、キャンプ場ごとのルールをしっかり守ることです。

場所によっては、食料やゴミの保管方法が細かく決められていることがあります。

ルールに従うことで、トラブルを防げるだけでなく、他の利用者の安全にもつながります。出発前に公式サイトや案内を確認し、安心して過ごせる準備をしておきましょう。

熊(クマ)の生態を理解しておく

熊との遭遇を防ぐには、まずその生態を知ることが大切です。行動や習性を理解しておくことで、リスクを減らす工夫がしやすくなります。

熊の主な特徴

  • 臆病な性格:基本的に人の気配を感じると距離を取る
  • 匂いに敏感:食べ物やゴミの匂いに引き寄せられる。一方で、熊よけ線香やトウガラシ成分のスプレーなど、刺激の強い匂いは苦手
  • 活動時間:早朝や夕暮れに活発に動く
  • 注意が必要な季節:春(冬眠明け)と秋(冬眠前)は特に活発
  • 子グマ連れの母グマは攻撃的になることも

熊の特性を知っておくことで、自然の中でも落ち着いて行動できるようになります。安全なキャンプのために、まずは相手を理解することから始めましょう。

熊(クマ)よけ対策グッズを活用する

キャンプ場で熊に近づかれないためには、熊よけグッズを上手に使うことが大切です。状況に合わせて使い分けることで、熊に遭遇するリスクを減らせます。

主な熊よけグッズ

熊除け鈴音で人の存在を知らせ、接近を防ぐ
熊よけ線香熊の嫌がる匂いを放ち、寄せつけにくくする
熊撃退スプレー万が一に備えて携帯。強力な刺激で熊を遠ざける

どれも持っておくと安心できるアイテムです。安全なキャンプのために、準備しておきましょう。

キャンプでの熊(クマ)対策グッズおすすめ5選

ここでは、キャンプ中に役立つ熊対策グッズを5つ厳選してご紹介します。目的や使用シーンに応じて選べるよう、それぞれの特徴もあわせて解説します。

音で威嚇|熊よけ鈴・電子ホイッスル

熊に人の存在を伝えるには、音を出すアイテムが役立ちます。熊よけ鈴電子ホイッスルは、その代表的なグッズです。

とくに電子ホイッスルは、必要なときだけ音を出せるので使いやすいのがポイント。ただし、熊鈴は鳴らし続けることで周囲の音が聞こえにくくなることもあります。

場所によっては鈴の音に慣れてしまっている熊もいるため、使い方には少し注意が必要です。

おすすめ1|冒険倶楽部 爆音熊ベル AY-28

澄んだ音が遠くまで響き、熊に自分の存在を知らせます。真鍮鋳物製で音質も良く、不要時は消音機能で静かに持ち歩けます。

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おすすめ2|コンパル 熊よけホーン

熊の接近を強力な音で知らせる熊よけホーン。最大110dBの警告音で威嚇でき、LEDライト付きで視認性も確保。緊急時のSOS発信にも役立つ防災アイテムです。

匂いで回避|熊よけ線香

匂いで熊を寄せつけない方法として、熊よけ線香は頼れるアイテムです。

熊が苦手とする成分を含んだ煙が広がり、近づきにくくしてくれます。虫よけ効果があるタイプもあり、夏のキャンプにもぴったり。

使うときは火の取り扱いに気をつけて、テントの外で焚くのがおすすめです。

おすすめ3|富士錦 獣よけ線香

唐辛子成分を配合し、強い煙と刺激臭で動物を遠ざけます。厚みのある作りで煙量も多く、農地や庭先など広範囲の獣害対策に使えます。燃焼時間は約5〜6時間です。

遭遇した時のために|熊(クマ)撃退スプレー

万が一、熊と鉢合わせしてしまったときのために、熊撃退スプレーを持っておくと安心です。強い刺激で熊の動きを止め、逃げる時間をつくることができます。

使うときは風向きをよく確認し、落ち着いて対応することが大切です。出番がないのが一番ですが、いざというときのお守り代わりとして準備しておくと心強いアイテムです。

おすすめ4|TW-1000 ドイツ製・熊よけペッパー 弾道液体ジェット 【ペッパー マン40ml】

熊対策用の強力スプレーです。ドイツ製の高性能モデルで、最大6m先まで液体を一直線に噴射します。風の影響も受けにくく、緊急時の備えに最適です。

おすすめ5|POLICE MAGNUM 熊撃退スプレー中型

消火器のように勢いよく噴射できるスプレータイプで、危険動物をしっかり遠ざけます。中型サイズで持ち運びやすく、登山やキャンプの心強い味方になります。万が一に備えておくと安心です。

熊(クマ)に遭遇してしまったらどうする?

どれだけ注意していても、自然の中では熊と出会ってしまう可能性があります。

そんなときに慌てず対応できるよう、状況別の対処法を知っておくことが大切です。

至近距離で遭遇した場合

至近距離で熊に遭遇した場合は、身を守る行動を最優先に取る必要があります。熊は驚いた拍子に、引っかきや噛みつきといった攻撃的な行動に出ることがあります。

とっさに逃げるのではなく、まずはうつ伏せになり、両腕で頭部や顔をしっかり覆ってください。これにより、致命傷のリスクを少しでも減らすことができます。

※参考記事:乗鞍高原「熊に出会った時の対処法」

また、熊撃退スプレーを持っている場合は、目や鼻を狙って噴射することで攻撃を回避できる可能性があります。完全な防御法ではありませんが、事前の準備と冷静な行動が命を守るカギになります。

近距離で熊(クマ)に気づいた場合

近距離で熊に気づいたときは、あわてず冷静に行動することが大切です。

突然逃げると熊の攻撃性を刺激してしまうため、背を向けず、ゆっくり後ずさるように距離をとりましょう

熊がこちらに向かってくる場合でも、すぐに止まって引き返す「威嚇突進(ブラフチャージ)」であることもあります。大声を出したり走って逃げたりすると、熊にとって「敵」と判断されてしまいます。熊を直視せず視界に入れながら、落ち着いて行動することで、熊が自ら立ち去る可能性もあります。

焦らず、距離を保ちながら静かに場を離れましょう。

遠くに熊(クマ)がいると気づいた場合

遠くに熊を見つけたときは、静かにその場を離れることが最優先です

大声を出したり、急に動いたりすると、熊がこちらに気づき警戒する恐れがあります。熊がこちらに気づいていない場合は、そのまま視界から外れるようにゆっくり移動しましょう。

距離が十分にあるからといって油断は禁物です。双眼鏡で様子を確認し、行動範囲から外れるようルートを変えることも有効です。

キャンプでの熊(クマ)対策に関するよくある質問

キャンプでの熊対策に関するよくある質問を紹介します。

Q.焚き火は熊対策として効果があるの?

焚き火は熊対策としてはあまり頼りになりません。火や煙を嫌がる熊もいますが、絶対に近づかないとは限らないからです。

特に食べ物の匂いが混ざると、かえって熊を引き寄せてしまうことも。焚き火はあくまで暖を取る手段と考えて、鈴やスプレーなど、他の熊対策グッズと一緒に使うのがおすすめです。

Q.静かな野営スタイルの人が気をつけることは?

静かに過ごす野営スタイルは、熊に気づかれにくいため注意が必要です。人の存在を知らせる工夫が大切になります。

たとえば、熊鈴やラジオを活用し、適度な音を周囲に届けましょう。また、匂いの強い食材は密閉容器に入れ、就寝時にはテントから離して保管してください。

静けさを楽しみながらも、安全対策は怠らないようにしましょう。

事前の熊(クマ)対策で、安心・安全なキャンプを楽しもう!

しっかりと熊対策をしておけば、自然の中でも安心してキャンプが楽しめます。

出発前の準備や情報チェック、現地での心がけが安全につながりますので、しっかりと基本をおさえて、気持ちよくアウトドアを満喫しましょう。

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