こんにちは、キャンプ歴45年のかおるです。キャンプをしていると、ふと周りのキャンパーたちを目で追ってしまうことがあります。設営に苦労しているソロキャンパーやファミリーキャンパーの姿に、昔の自分を重ねながら、数々のハプニングを思い出すのです。そんな経験から、今回は「後悔しないキャンプデビュー」のための必須ギアと、失敗を防ぐための解決策をご紹介します!
忘れがちな落とし穴?キャンプ初心者の失敗は“備え”で防げる!

キャンプ場では、設営に苦戦している初心者キャンパーをよく見かけます。中でも、お子さんをなだめながら一生懸命テントを立てているお父さんの姿は、思わず応援したくなります。
そんな我が家は車中泊キャンパー。ワンコ連れですが、設営5分のお手軽スタイルです。だからこそ、周囲を眺めながら昔の自分たちを思い出す余裕もあります。
大雨でテント内が水浸しになったこと、
突風でタープが破れたこと、
アブに刺されまくったこと、
食材を忘れてひもじい思いをしたこと……。
なぜか、楽しかった思い出よりも、ハプニングばかり鮮明に思い出してしまいます。
でも、それもまたキャンプの魅力。大変だった出来事も、時が経てば笑い話になる──それがキャンプの醍醐味のひとつだと実感しています。
新品のテントやギアを箱から出し、説明書を片手に一生懸命設営している初心者キャンパーの姿は、とても微笑ましく映ります。
しかし、誰もが失敗はしたくないでしょう。
そこで、キャンプ歴45年の経験をふまえて、初心者キャンパーさんにこそ知ってほしい、“あると安心・失敗しないための必須ギア3選”をご紹介します!
【1】タープ

キャンプ場でよく見かけるのが、テントだけ持参して、夜空の下で焚き火やBBQを楽しむ初心者キャンパーたちです。
夜、そのまま寝てしまい、朝、テーブルや椅子が夜露に濡れて大変な思いをしています。
ギアやテーブルは最悪濡れても良いのですが、椅子が濡れてしまうと、座る場所がなくなり、快適に過ごせなくなってしまいます。
標高の高い場所や秋から春にかけて、昼と夜の気温差が大きいと、夜露によって、まるで雨が降ったかのように全てがべちゃべちゃに濡れてしまうことがあるんです。
解決策

①タープを張る
タープはただ雨風や日を遮るだけでなく、夜露からギアを守る役目もあります。タープは、コンパクトなものでかまいません。就寝前に濡れて困るギアを置いておける程度の広さがあれば十分なので、忘れずに持って行きましょう!
②テントに前室があるなら活用
テントに前室があるなら、就寝前に椅子を前室に入れて置きましょう。椅子だけでも畳んでしまっておけば朝の快適さは段違いです。
③車に一時避難させる
就寝前に車の中に椅子だけでもしまいましょう!
とにかく何度も言いますが、椅子は本当に濡れると朝からテンションが一気に下がってしまいます。椅子だけは濡れないように意識してくださいね。
【2】ランタン

続いて、初心者キャンパーによくあるのが、夕方にキャンプ場に到着し、あたりが真っ暗になってから、小さな光を頼りにテントを立てようと四苦八苦しているケースです。特に北海道のキャンプ場では、こうした光景をよく目にします。
各地を観光したあと、その日の最終目的地としてキャンプ場に到着。そんなスケジュールのため、設営がどうしても遅くなってしまうのかもしれません。
小さなランタンは持ってはいても、サイト全体を照らす程の照度が無い。説明書の文字を読むのもやっとという状況では、スムーズな設営は難しくなります。
おそらく、購入したランタンやライトがどの程度の明るさを事前に把握しておらず、必要な数や用途を考えずに1つだけ用意してしまっているのではないでしょうか。
解決策

① 明るいうちにキャンプ場へ到着しよう
観光していると、ついつい最終目的地のキャンプ場へ到着するのは遅くなりがちです。真っ暗な中、慣れないテントを設営するのは思った以上に難しいものです。
キャンプ場を楽しむためにも、明るいうちに到着するようにしましょう!
② ランタンの使い道を事前にシミュレーションしておく
家でランタンを灯して「これで十分明るい!」と思っても、実際にキャンプサイトで使うと、手元しか照らせず照度不足に悩むことがあります。
また、必要な照明はテーブルだけではありません。
- 料理の手元
- 鍋やフライパンの上
- テントの入り口
- トイレへ行く時のヘッドライトや手持ちライト
これらも意外と「明かりがないと困る」ポイントです。
キャンプ場は、街灯や常設の照明がほとんどない場所が多く、夜は本当に真っ暗です。
事前に家で夜、ランタンだけで過ごしてみると、どこにどんな明かりが必要かイメージしやすくなります。予備の予備まで用意する心構えで準備をしましょう!
③ランタンの明るさは事前チェックが必須!
小型のLEDランタンやアルコールランタンは、実際に使ってみると思った以上に暗く、照らせる範囲が非常に狭い場合があります。
一方で、ガソリンランタンは非常に明るく、広範囲をカバーしてくれるのでおすすめです。ただし、光が強すぎるため、テーブル周りではやや眩しく感じることも。
その場合は、広範囲用にガソリンランタン、テーブルにルミエールランタンなど使い分けると快適です。
▼ランタンの詳しい使い分けについては、こちらの記事も参考にしてください。
【3】暑さ&寒さに対応するテントや寝具
冬は空気が澄んでいて虫もいないため、キャンプを楽しむには絶好のシーズンです。しかし、相応のテントや寝具を使わないと寒くて寝るどころでは無くなってしまいます。
また、夏は暑くて寝られず、翌朝寝不足で……なんてことは良くあることです。
解決策

① 快適に過ごせるテントを選ぼう
テントはまさに「家の代わり」となる存在。季節に合わせた選び方が重要です。
● 夏は風通し重視の大きめテントを
我が家では、コールマンのタフワイドドームテントを夏用に使用。5〜6人用のテントを2人で使うことで、広々快適に過ごせます。前後を開放できる構造なので、風通しも抜群。熱がこもりにくく快適です。
また、テントの向きも重要なポイント。風通しの良い方向に設営することで、暑さ対策に繋がります。

● 冬は断熱性の高いワンポールテント+薪ストーブ

寒い季節は、コットン製のワンポールテントを使用。完全に風を遮ることができ、煙突付きで薪ストーブも設置可能。テント内はまるで小さな暖房部屋のようです。
薪ストーブは外気を取り入れて燃焼し、煙突から排出されるため、テント内の空気も循環してくれる優れもの。ただし、一酸化炭素中毒防止のため、感知器は必ず設置し、就寝中はストーブを使用しないようにしています。
② 寝袋(シュラフ)は季節と気温に合わせて
家でも季節ごとに布団を替えるように、アウトドアではそれ以上に寝具の選び方が重要です。
●寝袋は「快適使用温度」と「限界使用温度」をチェック!
寝袋には「快適使用温度」「限界使用温度」の記載があります。
- 快適使用温度:この温度までなら快適に眠れる
- 限界使用温度:この温度での使用は厳しく、推奨されない
キャンプ当日の最低気温を調べた上で、「快適使用温度」に合った寝袋を選ぶことが大切です。
③ スリーピングマットは快適さの要!

実は、寝袋と同じくらい重要なのがスリーピングマットなんです。マットなしで地面に直に寝ると、硬さと冷気で寝心地が悪く、体が痛くなったり寒くて眠れないことも…。
スリーピングマットは、
- クッション性(快適さ)
- 断熱性(冷気を遮断)
の両方の役割を果たします。
●「R値」で断熱性能をチェックしよう
スリーピングマットの断熱性能は「R値(熱抵抗値)」という数値で表されます。数値が高いほど断熱性が高くなります。
R値の目安 | 対応シーズン |
---|---|
0〜2.0 | 夏向け |
2.0〜4.0 | 春・秋など3シーズン |
4.0〜6.0 | 冬・積雪期向け |
R値は足し算も可能なので、夏用(R2.0)を2枚重ねて冬仕様(R4.0)にすることもできます。
夏でもR値が高くてOK?
夏キャンプでR値が高いマットを使っても、暑すぎて不快になることはありません。
ただし、「地面のひんやり感が心地良い」と感じる人は、あえてR値を抑えたマットを使うのもアリです。
▼寝具の選び方について詳しく知りたい人はコチラの記事もチェック♪
しっかり備えて後悔しないキャンプデビューを

今回は、キャンプ初心者が見落としがちな必須ギア3選として、「タープ」「ランタン」「暑さ・寒さに対応するテントと寝具」の3つをご紹介しました。
キャンプとは、屋外で生活するということ。
「雨風をしのぐ」「暑さ・寒さを防ぐ」「明るい場所で安全に行動する」といった、普段の暮らしでは当たり前のことが、自然の中ではそう簡単にはいきません。
そんな不自由な環境を、自分の工夫と道具でいかに快適に変えていくか、それこそがキャンプの大きな魅力の一つだと感じています。
キャンプを始めたばかりの頃は、何を揃えたらよいのか迷ってしまうかもしれません。そこで今回は、最低限押さえておきたいポイントを、実体験をもとに解説させていただきました。
ぜひこの記事を参考にして、快適で楽しいキャンプライフをスタートさせてくださいね!