ランクルやレクサスに部品を供給する世界屈指の鋳物メーカー「会津工場」に潜入取材!
鋳物とはスキレットやダッチオーブンなどのキャンプギアでもお馴染みの、鉄などを型に流し込んで造る金属製品のこと。
実は自動車部品にも数多く使われていて、高精度な鋳造技術が日本の自動車メーカーを支えているそうです。
ハピキャン編集部が訪問した福島県只見町にある株式会社会津工場は、世界唯一のHプロセス工法で薄型高精度鋳物を製造しているトップメーカー。
キャンパーからも人気絶大のランドクルーザーやエクストレイルなどのSUV、さらにはレクサスLSといったラグジュアリーカーの鋳物部品を自動車メーカーに供給する、日本が世界に誇る鋳物屋さんなのです。
もしこの世に会津工場がなかったら、現行のランクルやレクサスは存在しなかったかもしれないと聞くと、会津工場のスゴさをご理解いただけるのではないでしょうか。
「最近の自動車はコンパクトにデザインされるようになり、図面には余分な空間がなく、隣の部品との隙間が1mmという世界。
誤差があると接触してしまい、部品として成立しなくなってしまいます。我々は『この隙間に部品を入れたい』という難易度の高い要望にも、薄型高精度鋳物を造る技術で応えてきました」と、設計担当の渡部さんは話します。
自動車業界では超有名な鋳物メーカーが、アウトドア調理器具を作ったらどうなった?
そんなスゴい鋳物メーカーの会津工場が、なんとアウトドア調理器具ブランドを立ち上げてしまったのです。その名は「AIRO」。
高精密鋳造を可能にするHプロセス工法を採用した第一弾商品「会炉鉄板」シリーズは、優れた熱伝導と蓄熱性でムラなく火が通り、遠赤外線による輻射熱で食材の旨味を逃さず加熱できると話題に。
会津工場が造る鋳物製品は、鋳肌のきめ細かさも特徴で、それはもちろんAIROにも受け継がれています。
鋳肌がきめ細かく凹凸がないことで、食材が鉄板に焦げ付くことがほとんどなく、メンテナンスが楽なのも評価ポイントです。
「会炉鉄板 半球形プレート 16」
価格:4,800円(税込)
本体サイズ:約207×173×高さ28mm
本体厚さ:底板部6mm
本体重量:約1,430g
対応熱源:オール熱源対応 (ガス、IH、シーズヒーター、ラジェントヒーター等)
「会炉鉄板 丸形プレート 16」
価格:4,800円(税込)
本体サイズ:約207×173×高さ24mm
本体厚さ:底板部6mm
本体重量:約1,300g
対応熱源:オール熱源対応 (ガス、IH、シーズヒーター、ラジェントヒーター等)
「会炉鉄板 平角プレート 18」
価格:4,800円(税込)
本体サイズ:約225×172×高さ27mm
本体厚さ:底板部6mm
本体重量:約1,850g
対応熱源:オール熱源対応 (ガス、IH、シーズヒーター、ラジェントヒーター等)
「会炉鉄板 流線プレート 16」
価格:4,800円(税込)
本体サイズ:約207×172×高さ29mm
本体厚さ:底板部6mm
本体重量:約2,400g
対応熱源:オール熱源対応 (ガス、IH、シーズヒーター、ラジェントヒーター等)
実際に会炉鉄板で牛塊肉を焼いてみると、理想的な火入れができて、まるでシェフが焼いたかのようなステーキを楽しむことができます。
鉄板としての実用性は料理人にも高評価で、会炉鉄板を使ったメニューがレストランで提供されるほど。SNS映えもお任せあれです。
軽量コンパクトのおひとり様サイズ!ありそうでなかったダッチオーブンが話題に
AIROの新商品「会炉ダッチオーブン」は、クラウドファンディングで先行予約販売したところ、目標金額796%の総額約240万円でプロジェクトを達成。
ソロキャンパーをターゲットにしたコンパクトなおひとり様サイズ(高さ105mm×外径172mm)が「ありそうでなかった」とセールスにつながったようです。
オーブン料理や煮込み料理、焼き、蒸し、揚げ、燻製の1台6役をこなすのは、一般的なダッチオーブンと変わりませんが、鋳鉄製でありながら本体と蓋で重量1.68kgと圧倒的な軽量化を実現。
さらに2.6~3mm厚という他の鋳物メーカーでは実現できない薄さ!繊細さが求められる自動車部品業界で薄型高精度鋳物を作ってきた会津工場の技術が、このダッチオーブンにたっぷりと詰まっています。
わずかな力で軽く持ち上げられるようにと、力点を考慮した付属の特製ハンドルも、これまた秀逸なパーツです。
「会炉ダッチオーブン」
価格:22,000円(税込み)
サイズ:208×172×高さ78mm
重量:978g
耐熱温度:約1,000℃
対応熱源:オール熱源対応 (ガス、IH、シーズヒーター、ラジェントヒーター等)
※底アミ、栓抜き付きハンドル、L型ハンドル、 収納袋(会津木綿)付属
次なる一手は、蓄熱性ナンバー1を目指した鋳物マルチグリドル!
チャレンジ精神が社是のひとつで、勝手に開発した鋳物部品が大手自動車メーカーに採用されたという逸話もある会津工場。そんな職人魂を根底に現在開発中なのが、鋳物のマルチグリドルです。
「鋳物のマルチグリドルでは、蓄熱性ナンバー1が狙えるのではないか」と、統括本部長の鈴木誠さん。
世界屈指の鋳造技術で造るアウトドア調理器具の新境地とは、どのような仕上がりになるのでしょうか。まずは会炉鉄板か会炉ダッチオーブンで肉を焼きながら、その完成を待つことにしましょう。