【おすすめグッズ5選】冬の車中泊は寒さ対策を万全に! サンシェードやポータブル電源、電気毛布など
冬の車中泊の最大の難関が「寒さ」。
ここでは冬の車中泊で寒さを乗り切るために、筆者が愛用しているグッズを紹介していきます。
1)サンシェードは窓の断熱のために絶対必要
冬の車中泊で、車内の温度が一番奪われる場所は「窓」。
車の窓は断熱処理が施されておらず、車体の中でも最も薄い場所なので、対策をしないとどんどん熱が奪われていきます。
キャンプ場は標高が高い場所が多く、日が暮れると一気に気温が下がっていきます。雪が多い地域やスキー場付近での車中泊を考えている場合は尚更です。
そのため、サンシェードを使った車の断熱は必須と言えます。
またサンシェードは、プライバシー保護のためにも必要です。
私は体験した事はありませんが、車中泊中に窓から車内を覗かれた…という別の意味で凍り付くような話はチラホラ聞いた事があります。
プライバシー保護や安全の確保ためにも、サンシェードは必須と言えるでしょう。
筆者が使っているシェード
筆者が使用しているサンシェードは、趣味職人の「プライバシーサンシェード」です。
車種ごとに作成されており、なんと約50車種のサンシェードが用意されているとのこと。
DIYがお好きな方はサンシェードを自作されているようですが、隙間なく丁寧に裁断されているサンシェードを購入するというのも良いかと思います。
2)寝袋は厳冬期用を用意すると安心
続いては寝袋。
冬の車中泊に向けて寝袋を選ぶポイントとして、「コンフォート温度(快適温度)」と「リミット温度(下限温度)」を参考にすることをおすすめします。
コンフォート温度・快適温度
寒さに弱い人が、寒さで丸まることなく快適に睡眠できるとされる温度域。初心者など、多くの人が快適に睡眠をとる事ができるとされている。
リミット温度・下限温度
寒さに強い人がシュラフの中で丸くなり、快適に眠る事ができるとされる温度域。人により快適に睡眠ができたりできなかったりするが、着衣を工夫することで快適さを高める事ができる。
エクストリーム温度・限界温度
寒さに弱い人が寝袋の中で丸まった状態で6時間耐えられる温度域。低体温症など健康上の問題が発生し、場合によっては死に至る危険性もある。
車中泊ではエンジンをかけっぱなしにすることはできないため、車の暖房は使えません。
暖房をつけないと車内は屋外の気温とほぼ変わらない状態となるため、冬は非常に冷え込みます。
冬のキャンプ場やゲレンデ近くでの車中泊の場合、車内温度が氷点下になることもしばしば。
そのため冬用の寝袋は、下限温度-10℃以下の厳冬期用のものを選んでおくと安心です。
寝袋の素材の選び方
寝袋の素材は「ダウン」と「化繊」のものがあります。
化繊はダウンに比べ安価ですが、重量がありかさばってしまう事が特徴。
そのため登山用と兼用する想定であれば、軽量なダウン素材の寝袋を選びましょう。
車中泊のみであれば多少かさばっても問題ありませんので、予算に合わせてダウンか化繊を選ぶと良いかと思います。
筆者はモンベルの「ダウンハガー650 #0」を愛用
筆者が愛用しているのはモンベルの「ダウンハガー650 #0」。
モンベルのダウン素材の寝袋の中では最も安価なシリーズが「ダウンハガー650」です。
モンベルの場合、品名の後の「#」が温度域を表していますが、#0の場合は-10℃以下対応のモデルになります。
ダウンハガー650 #0の下限温度は-15℃のため、服装を工夫すれば真冬でも安心です。
3)マットレス選びは「R値」に注目!
防寒と言えば寝袋に目が行きがちですが、マットレスも防寒に重要な役割を果たしてくれます。
マットレスには「R値」という値が記載されています。
これはマットレスの断熱性を表した数値で、数値が高くなるほど断熱性が高いということになります。
車中泊の際には車の荷室やシートを倒したスペースにマットレスを敷くことになりますが、真冬の車中泊の底冷えは想像以上。
そのため寝袋の保温能力をしっかりと発揮して体の熱を奪われないようにするためには、断熱性の高いマットレスを選ぶ必要があります。
R値の基準
R値の基準として
- 2.0未満:心地よい夏の条件下での使用に適している
- 2.0以上:真夏と真冬の間に使用(3シーズンモデル)
- 4.0以上:雪の上や寒い環境下
- 6.0以上:北極などの極寒の地
を参考に選ぶと、大きな失敗は無いかと思います。
ただ、これはあくまでも参考基準で寒さの感じ方は人それぞれですので、寒さが苦手な方はR値が高めのマットレスを選ぶことをおすすめします。
また、複数のマットレスを重ねて使用した場合、R値は足し算できることが特徴。
例えばR値2.0のマットレスと2.4のマットレスを重ねて使用した場合は、R値4.4のマットレスとして考えられるということです。
そのため既にマットレスを持っている方の場合は、ご自身のマットレスのR値を確認し、それに合わせて買い足すという方法もありです。
厚さ&サイズも考慮しよう
ご自身が使用する環境を踏まえて購入するべきR値が決まったら、「厚さ」「広げた時のサイズ」に気を付けて選んでみましょう。
まず厚さについて。
登山やツーリングキャンプでは携行性に優れたコンパクトなマットレスを選ぶ必要がありますが、車中泊であれば多少かさばっても、寝心地が良い厚手のものを選ぶと良いでしょう。
続いて広げた時のサイズですが、車に収まるサイズである事は大前提。
軽自動車の場合は助手席を倒して荷室と繋げるため、幅はあまり広くないマットレスが良いでしょう。
SUVやバンの場合は、荷室をフルフラットにすれば十分な広さを確保できる場合が多いです。
ご自身の体格と車のサイズに合わせたマットレスを選んでみてください。
筆者はサーマレストの「ベースキャンプ」を愛用
筆者が愛用しているサーマレストの「ベースキャンプ」は、厚さ5cmで寝心地は快適。
R値は6.0と断熱性が高く、オールシーズン使えるマットレスです。
筆者は痩せ型で寒さには弱いので、R値が高めのマットレスを選びました。
4)ポータブル電源は1台あると安心
ポータブル電源は、1台あると安心です。
車中泊中は車のエンジンを切らないといけないため車の暖房は使えませんが、ポータブル電源があれば電気毛布や電気ストーブなど、暖を取る電化製品を使用することができます。
また、トラベルマルチクッカーなど電気で使用する調理器具があると、車内でも安全に暖かい飲み物やスープを用意できます。
道の駅や公共駐車場など、火気厳禁の場所で温かいものを食べたい・飲みたい場合にも対応が可能です。
筆者はこの冬からトラベルマルチクッカーを導入予定です。
海外滞在中でも、国内旅行中でもホテルや自動車内など電気さえ使えれば気軽に調理ができる電気調理器です。便利な電圧切替スイッチ付き、温度過昇防止安全装置付きです。100-240V/50-60Hz対応(消費電力最大360W、日本国内(100V)では250W)、海外でも変圧器なしで使用できます。
本体は約1kgと軽量で持ち運びもラクラク。収納サイズも約16 x 16 x 9cmと場所を取りません。
主な付属品:電気調理器本体、鍋(アルミ製 約1.3L)、どんぶり(PP)、ふた、スプ...
筆者はJackeryポータブル電源700を使用
筆者が使用しているポータブル電源は、Jackeryのポータブル電源700です。
カッコ良いデザインが特徴的で、SNSで見かけたことがある方も多いかもしれませんね!
Jackery700は容量が700Whと大容量なので、真冬の車中泊で電気毛布を使いながらスマホを充電してパソコン作業をしても、朝まで十分にもちます。
また、定格出力500Wなので、消費電力が多い製品でも使いやすいです。
例えば上記で紹介したトラベルマルチクッカーは消費電力が250W。
定格出力が300W程度のポータブルバッテリーでは、トラベルマルチクッカーと同時に他の電化製品を使用すると電源が落ちてしまうなど、使えない場合が多いです。
これからポータブル電源を購入予定の方は、ご自身が使用する電化製品の消費出力と、ポータブル電源の定格出力を確認してから購入すると良いかと思います。
【大容量700Wh】700Whの超大容量、キャンプから防災まで幅広く活躍できます。Jackery ポータブル電源 700は、最大電力500Wの機器が給電でき、多数の設備や端末に対応できます。液晶ライ...
▼Jackeryについてはコチラの記事もチェック!
5)電気毛布は掛敷兼用があると便利
ポータブル電源を持っている事が前提となりますが、電気毛布があるとより寒さをしのげます。
R値が高めのマットレスの上に更に電気毛布を敷いておけば、底冷え対策は万全です。
電気毛布の選び方
電気毛布には掛ける用、敷く用、掛敷兼用があります。
掛ける用は薄手で羽織りやすく持ち運びに便利ですが、敷いてしまうと身体の重さや摩擦で配線が故障してしまう可能性があります。
敷く用は身体の重さがかかる前提で作られているので厚手で丈夫ですが、持ち運びにはやや不便。
掛敷兼用は両者の中間ですので、筆者としては車中泊に丁度良い電気毛布だと感じています。
また、掛敷兼用の良い点としては、日中のキャンプにも使用しやすいこと。
冬場のデイキャンプ時には半分に折った電気毛布をキャンプチェアに敷き、半分はお尻の下に敷き、半分は膝にかけて使用しています。
そうすることで日が当たらず寒い場所でのキャンプでも、寒さをしのぐことができます。
筆者はニトリの電気毛布を愛用
筆者はニトリの掛け敷兼用電気毛布(完売・再入荷未定だそうです)を使用しています。
シンプルなデザインと肌触りが良い点が気に入っていて、自宅でも愛用しています。
ニトリ以外でも様々な電気毛布があるので、掛けるのか敷くのか、ご自身の好みに合わせて選んでみてください。
【服装】冬の車中泊では服装にも工夫が必要! 「レイヤリング」で空気の層を作り保温性を高めよう
冬の車中泊では服装選びにも注意をしましょう。
登山で言われている「レイヤリング」という考えを基に服装を決めると、寒さをしのぎやすいです。
「レイヤリング」を意識して空気の層を作ろう!
ウェアの構成を「ベースレイヤー」「ミドルレイヤー」「アウターレイヤー」の3層の重ね着とすることを、登山用語で「レイヤリング」と言います。
車中泊に限ったことではありませんが、その日の気温や環境(車内装備)に応じて脱ぎ着できる服装にすることで、衣服内を快適に保てます。
ベースレイヤー
素早く汗を吸収拡散して肌をドライに保つことと、保温性の確保が主な目的。季節により素材を選択しますが、冬場は保温性が高いものを選ぶと良いです。
ミドルレイヤー
登山では行動着と保温着それぞれ考える必要がありますが、車中泊での主な目的は保温性の確保。薄手のフリースや長袖のシャツなど、脱ぎ着しやすいものがおすすめです。
アウターレイヤー
登山では雨・風・雪などから体を守ることが目的。車中泊中はこれらを考える必要は無いので、寒さに弱い方はインナーダウンなどで保温性を高めるのも良いでしょう。
筆者の冬の車中泊時の服装は、上衣がユニクロの極暖ヒートテックとモンベルのインナーダウン、下衣がユニクロの極暖ヒートテックとスウェットにすることが多いです。
冷え込みが強い日はもう1枚、薄手の上着を着て調整しています。
ネックウォーマーや靴下を使うことも◎
防寒グッズを揃えて服装も完璧、そんな状態で寝袋に入っていざ車中泊!
それでも寒さが気になる日はあります。
例えば寝袋のジッパー付近から首元にほんの少しだけ冷気が入ってきたり、キャンプ(車外での焚き火など)をした後に車内へ入ったら足先が冷えていたり。
そんな時にネックウォーマーや靴下の用意があると快適に眠れます。
注意点としては、就寝時に使用する靴下は緩めのものを用意することです。
普段履くような靴下では、締め付けが強すぎて逆に足が冷えてしまう可能性も。
寒さが苦手な方はネックウォーマーと緩めの靴下を用意して、万全の態勢で車中泊に臨みましょう。
【注意点・ポイント】冬の車中泊でのポイントや気を付けるべき注意点をご紹介! トイレの位置は要確認
防寒グッズと服装で、寒さ対策はバッチリです。
ここではグッズ以外の寒さ対策や、冬の車中泊をする上での注意点をお伝えします。
温泉で身体を温めてから就寝するのもアリ
上記のようなアイテム&服装面の寒さ対策を施せば、冬の車中泊は概ね大丈夫かと思います。
それでもより快適に過ごしたいという方には温泉がおすすめ!
温泉で温まれば、ポカポカしたまま車中泊の準備を整える事ができますし、その後の入眠もスムーズになります。
スキー場近くでの車中泊を考えている場合、周辺には温泉施設が点在していることが多いです。
また、道の駅に温泉施設が併設されている場所もあるので、目的地周辺の温泉施設を検索しておくと旅行気分も味わえて良いでしょう。
トイレの場所は要確認!
冬の車中泊において、近くにトイレがあるかどうかはかなり重要です。
寒さでトイレが近くなることが考えられますし、夜中に目が覚めてトイレに行きたくなったとしても、徒歩圏内にトイレがなかったら絶望的な状況です…。
徒歩圏内にトイレがあったとしても、長い距離を冬の夜中に歩くとなると身体が冷え切って、車内に戻った後になかなか寝付けないということも。
そのため、可能な限り近くにトイレがある場所で車中泊することをおすすめします。
万が一トイレがない、または悪天候で屋外に出られない場合の備えとして、携帯用トイレを車に積んでおくという手段もあります。
筆者はまだ使ったことはありませんが、万が一の事態を想定して携帯用トイレを常備しています。
災害用品としても使用できるため、1つ持っておいても損はないと思いますよ。
豪雪地帯では雪かき用のスコップ等があると安心
スキー場近くでの車中泊の場合、一晩で車の周辺に雪が積もることもしばしば。
マフラーがふさがれた状態でエンジンをかけてしまうと排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒になってしまう危険性も。
そのため車中泊前に車周辺の雪かきを済ませ、夜間の積雪にも備えることが大切です。
筆者は積雪が予測される場所で車中泊をする場合は、ほとんどがゲレンデ近くです。
そのためスノーボードで雪を除けてしまっていますが、スコップの方が効率的なのは明らかです。
ウィンタースポーツ目的でない場合は、スコップ等雪かきができる道具を備えておくことをおすすめします。
寒くてもエンジンかけっぱなしはNG
冬の車中泊になれていない場合、エンジンをかけっぱなしにして暖房を使いたくなる方もいるかもしれませんが、エンジンのかけっぱなしはやめましょう。
安全面では、エンジンをかけっぱなしにして長時間停車していると、車内に排気ガスが逆流し一酸化炭素中毒になる恐れがあります。
特に冬は、積もった雪でマフラーがふさがれ死亡事故につながる可能性も…。
マナーの観点では、まずは大気汚染。
アイドリングを一晩中すると大量の排気ガスが空気中に排出されてしまいます。
また、エンジンをかけっぱなしにすると周囲に音が響き、迷惑が掛かります。
筆者も道の駅で仮眠をした際に、近くに停まっていた車が1時間ほどエンジンをかけっぱなしにしていて、音が気になってなかなか寝付けなかったという経験があります。
以上の理由から、車中泊中は必ずエンジンを切りましょう。
寒いながらも魅力的な冬の車中泊! 寒さ対策グッズ・服装の工夫をしっかりとして冬の車中泊を楽しもう
今回は寒さ対策のグッズを中心に、冬の車中泊についてお伝えしました。
冬の車中泊では、翌朝には澄んだ空気と綺麗な景色に触れる事ができたり、スキー場の場合は朝一番のパウダースノーを楽しめたり、他の季節にはない魅力がたくさんあります。
皆さんも寒さ対策を万全にして、冬の車中泊を楽しみましょう!