焼き立てパンのポイントは炭火起こしと消火! 火力がないときちんと焼けない!

筆者撮影
キャンプ場でパンを焼く場合、重要なのは炭火を多めに用意することです。
当然、朝やらなければならないので、手際はとても大切。
私は今回、SOTOのブレイズランチャーを使って一気に火起こしをしました。
こちらはわずか9分でガス缶を使い切ってしまうという強烈な火力を誇るバーナーで、多くの炭でも簡単に着火させることができます。
火起こしにかかる時間は3分ほど。

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少し今だと入手が困難(ワイルドワンの限定販売)なようですが、同じSOTOからよく似たバーナーも出ているようです。
もちろん他にも方法はあります。
トーチバーナーを使う場合は、前日バーベキューなどで使用した「使いかけの炭」を使うと着火させやすいです。
新しい炭を使いかけの炭にくっつくようにして着火させれば、一度にたくさんの炭火を起こせます。
また、チャコールスターターのような道具を使ってもいいでしょう。
15分以上は時間がかかりますが、その間別のことができます。
ただ、チャコールスターターの場合、小さいものだと一度に少量の炭しか火起こしできないので、その点は注意が必要です。
もう1点気をつけないといけないのが「消火」です。
パンを朝に焼いた後は、さほど時間をおかずに撤収をする可能性が高いと思いますが、一度火のついた炭は簡単に消火できません。
水をかけたりするとグリルを痛めますし、灰が舞い上がって大変です。
ですので消火には「火消しツボ」を用意します。これは酸素を遮断することで1時間半~2時間程度で完全に炭火を消せるツボです。
こうして消火した炭は次回もそのまま使えるので、とても重宝します。
こうした炭火の使いこなしが、スムーズなパン作りには欠かせません。
最初は手間取る部分もありますが、慣れてくると料理のバリエーションが増えますよ。
焼き立てパンの食材と作り方
焼き立てパンの食材(2~3人前)

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- 強力粉 …300g
- バター …50g
- 牛乳 …160ml
- 卵 …1個
- 砂糖 …25g
- 塩 …5g
- ドライイースト …5g
バターを多めにしたバターロール仕様です。
小麦粉は必ず強力粉を使用しましょう。
焼き立てパンの調理に必要な道具

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- ダッチオーブン
- バーベキューグリル
- クッキングシート
- 炭
- 火消しツボ
- 火ばさみ
上記はキャンプ場で必要なものだけで、下準備にはボウル、ジップロック、計量カップやはかりも必要になります。
ダッチオーブンは中に網が敷けるものを使います。

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バーベキューグリルはダッチオーブンが上に乗り、火力コントロールがしやすいものを使うと簡単です。
今回は、ユニフレームのファイアグリルにヘビーロストルを乗せて使用しました。
しっかりこねればあとは簡単! 焼き立てパンの作り方
1)
下ごしらえです。これはキャンプの前日より前に行います(何日前でも問題ありません)。
まず、バターを電子レンジで10秒~20秒ほど加熱し、溶かします。

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2)
溶けたバターとすべての材料を正確に計量し、ボウルに入れます。

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3)
材料を混ぜ合わせていきます。このようなゴムへらを使うと多少こねることもできるのでやりやすいです。

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4)
ある程度材料がまとまってきたら、手でしっかりこねます。まな板に叩きつけたり伸ばしたりしながら、1時間ほどこねます。引っ張った時、しっかりとした手応えが出てきて、パチンと千切れればいいでしょう。

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5)
千切って丸めておきます。まず半分にし、それをさらに半分、さらに3等分にして、計12個のボール状にします。

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6)
この状態で冷凍庫にて冷凍します。冷凍後、ジップロックに入れておきましょう。キャンプ場にはこの状態で持参します。

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7)
キャンプ場についたら、20度を超えるぐらいの気温の場所にジップロックを出しておき、そのまま二次発酵させます。テント設営後すぐに始めて、そのまま翌朝まで放置します。だんだん空気でジップロックが膨らんでくるので、適宜空気は軽く抜いておきましょう。
冬場などは、ストーブのそばに置きます。
発酵が進んでいるか少しこまめにチェックしましょう。

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8)
朝になって、発酵が進んでいると、パン生地同士がくっついてしまう事があります。
その場合はばらしてもう一度丸め直せばOKです。
丸めたパン生地はクッキングシートに並べましょう。

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9)
十分に予熱をしたダッチオーブンにクッキングシートごとパン生地を入れ、蓋をします。

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10)
炭火は下からはやや遠火にします。その上でダッチオーブンの上にも炭を置いていきます。蓋の方にはむしろぎっしり乗せてください。
割合としては、6:4から7:3ぐらいで蓋のほうの火力を強くします。

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11)
およそ30分で焼き上がりです。20分~25分経った辺りからいい匂いがし始めるので、焼き上がりの目安としてください。
そのぐらいからたまに蓋を開けて焼き加減を確認しますが、面倒でも蓋の上の炭は必ず全部降ろすこと。また蓋はリフターで開けること。そうしないと危険です。
焼き上がったら、クッキングシートごとパンを取り出して完成です。

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カリカリベーコンがあれば、より焼き立てパンは美味しくなる!

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焼きあがったパンは、塩味のきいたバターロールですし、なんといってもホカホカの焼き立てなので、そのままでも十分美味しく食べられます。手でちぎって食べましょう。
より美味しく食べたい時はこちらの記事を参考に、ベーコンをカリカリに焼いてみてください。これを挟んで食べるとなお美味しくなります。
慣れてきたらチョコレートやチーズ、冷凍したカレーなどを中に入れて焼き上げれば、さらに手の込んだ朝食が楽しめます。
なお、ダッチオーブンはほとんど汚れていないはずなので、よく冷ましてしまえばそのまま洗わなくてもOKです。
炭を入れた火消しツボはかなり温度が上がるので、こちらもよく冷ましてから持ち帰りましょう。
目安として、パンを焼き終わったらすぐに炭は火消しツボに入れてしまい、朝食後撤収作業を2時間ほどかけて行い、その間放置しておけばすべての道具は安全な温度にまで下がっているはずですよ。