「キャンプと言えばコレ!」と言えるほど、煮る、焼く、蒸す、揚げる、どんな料理もまるで魔法をかけたように美味しく仕上がるテッパンの調理器具が、ダッチオーブンです。キャンプ歴40年、サイズとメーカーの違う3つのダッチオーブンを所有する筆者が、ダッチオーブンとはどんな調理器具なのか、サイズ・メーカー別の特徴、シーズニング方法、ダッチオーブンを使ったおすすめレシピまで、ダッチオーブンを丸ごと解説します!

【ダッチオーブン】とは? 蓋に炭火を乗せられる金属製の蓋付き鍋のこと!

ダッチオーブンとは、蓋に炭火を乗せられる分厚い金属製の蓋付き鍋のこと。蓋に炭火を乗せることでオーブンのようにも使える鍋で、焚き火にそのまま入れられるよう、鍋の底に3本の足が付いているものや、家庭で普段使いできるように足が付いていないものもあります。

【ダッチオーブン】の魅力と特徴は?

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写真のように重ねて調理できる形状なのも、ダッチオーブンの醍醐味のひとつ。

また、鍋に厚みがあるため、温度が均一に食材に伝わりムラなく火が通ります。重たい蓋は、鍋の中の水分を逃さず圧力をかけることができるので、水を使わなくても食材の水分だけで調理が可能。食材がホッコリと柔らかく仕上がるのも特徴のひとつです。

【ダッチオーブン】の選び方を紹介! サイズ・メーカーをチェックしよう!

「ダッチオーブンを買おう!」と決心したのは良いものの、「違いがよくわからない……」という方も多いはず。ショップに行くとたくさん並んでいるダッチオーブン、いったいどれを手に入れれば良いのでしょうか?

【ダッチオーブン】の選び方1:「サイズ」 家で使える鍋のサイズを想像して決めよう!

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この写真は、私が普段愛用しているダッチオーブンです。20年以上前に8インチのダッチオーブンを購入し、その約5年後に10インチ、さらに5年後に12インチと買い増していきました。

画像1: 【ダッチオーブン 使い方】えごま油を使ったシーズニングからレシピまで! 徹底解説!

こうして並べて見ると、見事に古い順、使う頻度の高い順に黒光りしていますね~。

画像1: 筆者撮影

筆者撮影

「8インチ」「10インチ」「12インチ」という数字はオーブンの内径で、8インチは20センチ、10インチは25センチ、12インチは30センチです。

我が家で使っているものは全てに足が付いているので、3つ積み重ねて調理することも可能です。

どのサイズを購入するか迷った時は、普段家で使っている鍋のサイズを想像すればどれを購入すればよいかわかると思います。

画像2: 【ダッチオーブン 使い方】えごま油を使ったシーズニングからレシピまで! 徹底解説!

それでも「サイズを決めるのが難しい……!」という方は、以下の使い方とサイズ感を参考にしてみてください。

画像2: 筆者撮影

筆者撮影

こちらは10インチのダッチオーブン(写真右)とスキレット(写真左)で、直径はどちらも25センチです。

これよりひとまわり小さい8インチは、夫婦2人やカップルにおすすめ。家でもキャンプでも使い勝手が良いサイズ感だと思います。我が家でも、家ではもっぱら8インチを使っています。

画像3: 筆者撮影

筆者撮影

家族5~6人分で煮込み中心なら、10インチで十分だと思います。底網などを敷いて型を入れ、キッシュやベイクドチーズケーキなどを作る場合も、10インチが最適です。また、大きいスペアリブなど長さがあるものも、8インチでは収まらないことがあるので10インチの出番です。

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丸鶏のローストなどは12インチがベター。大きな丸鶏は普通の12インチでも深さが足りないことがあるので、12インチの「ディープ」という深鍋タイプが便利です。

【ダッチオーブン】の選び方2:「メーカー」に注意!

サイズ感が決まったら、あとはメーカーを選びましょう。

我が家のダッチオーブンのメーカーはバラバラです。8インチは『キャンパーズコレクション』、10インチは『コールマン』、12インチは『ロッジ』のものを使っています。この中でも個人的に特におすすめなのは、『キャンパーズコレクション』です。

画像4: 筆者撮影

筆者撮影

僕の考えるダッチオーブンの命は、鍋と蓋とのすり合わせです。蓋がぴったりと鍋に密着することで、水分を逃さず、噴出した煮汁が焼けて糊の役目を果たし、さらに密着度を高めてくれます。これにより、圧力鍋で料理したかのように食材が美味しく仕上がります

最初に購入した『キャンパーズコレクション』のダッチオーブンは、当時3,000円程で購入しましたが、鍋と蓋の密着度が高く、料理が仕上がって蓋を開けようとしても本体が持ち上がるほど。精度の高いダッチオーブンです。

『コールマン』のダッチオーブンも、蓋に溝が付いていることで蒸気や圧力を逃がさない構造になっています。

一方、通販で購入した『ロッジ』のダッチオーブンは、残念ながら鍋に蓋を置くとカタカタと隙間が開いてしまうものでした。現在ではそんなことはないと思いますが、ダッチオーブンはメーカーによらず、できるだけ現物を見て鍋と蓋の密着度を確認してから購入するのが間違いないのでおすすめです。

画像5: 筆者撮影

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大きな鋳物は製作が難しく、冷えて固まる時にゆがんでいきます。大きなダッチオーブンを購入する時は特に気をつけるといいでしょう!

筆者愛用のダッチオーブンはこちらどうぞ!

画像3: 【ダッチオーブン 使い方】えごま油を使ったシーズニングからレシピまで! 徹底解説!
コールマン ダッチオーブンSF(10インチ) 170-9392
サイズ:直径約25×13(h)cm、内径/直径約23.5×11(h)cm
質量:約6kg
材質:鋳鉄、他
付属品:ケース、リッドリフター
お薦めメニュー:炊き込みごはん、パン
¥8,518
2021-04-19 14:22

【ダッチオーブン】のお手入れ方法・シーズニングを紹介! えごま油などを使ったお手入れがおすすめ!

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ダッチオーブンは放っておいても食材の旨味を引き出してくれる魔法のポットですが、一般的な鍋と違い、鋳鉄(ちゅうてつ)でできています。

鋳鉄とは、金属を溶かして鋳型に流し込んで作る製品のことで、炭素やケイ素を含んだ鉄の合金の事です。主成分が鉄ですから当然の様に錆びてしまいます

どの位で錆びるかというと、まだ使用し始めて日の浅いダッチオーブンの場合、「夕飯の煮物の残りを翌朝リゾットにしよう」と蓋を開けてみたら錆の臭いがする……。なんてことがあるほど、あっと言う間に錆びてしまうんです。

そこで大切になってくるのが、使う度に行うお手入れです。適切な手入れをして使い込めば、ダッチオーブンに油が何重にもコーティングされ、洗剤を使って洗っても錆びつかなくなってきます。

【ダッチオーブン】のお手入れの方法は!?

ダッチオーブンは、使うたびにお手入れを行う必要があります。錆を防ぐためにオイルを塗る必要がありますが、使うオイルは紅花油亜麻仁油などのリノール酸を多く含む植物油を使いましょう。オリーブオイルは皮膜を作りにくいため適していません。

【お手入れに最適なオイル】

  • 紅花油(サンフラワー油)
  • 亜麻仁油
  • ひまわり油
  • えごま油

毎回のお手入れの方法は、以下の通り。

  1. お湯を流しながらたわしで汚れを落とす
  2. 水で流して鍋に火をかける
  3. 水分が蒸発して乾いたら油をまんべんなく塗る
  4. 冷ませばお手入れ完了!

鍋を熱することで水分を蒸発させるのは、赤錆を防ぐだけでなく、黒錆びを発生させているのです。錆には『赤錆』と『黒錆』があり、赤錆は水分と結合して鉄の内側まで侵食し錆を広げてしまう厄介な錆です。一方黒錆は、熱してできる酸化皮膜のことを言います。

黒錆は表面にしか付きませんし、疎水性(水に溶解しにくい性質)なので、水分と結合してできる赤錆が発生しなくなります。その上に油を塗ることで皮膜ができ、錆びにくくなるのです。

適切に手入れを行うことでどんどん使いやすくなっていくのですが、これこそがキャンパー達が「ダッチオーブンを“育てる”」と表現する由縁です。

画像4: 【ダッチオーブン 使い方】えごま油を使ったシーズニングからレシピまで! 徹底解説!

僕の愛用しているダッチオーブンの中で最も古いものは、洗剤を使って洗っても錆びつかなくなってきます。それ以外の2つは今でもしっかりと手入れを行っています。

【ダッチオーブン】のシーズニング方法は?

とても錆びやすいダッチオーブンですが、店頭に置いてあるものは錆びていませんよね。それは、出荷時点のダッチオーブンには錆止めがコーティングされているためです。そのため、購入したばかりのダッチオーブンを使うためには、『シーズニング』を行う必要があります。

  1. 水が弾かなくなるまで洗剤とたわしで洗う
  2. 水で洗い流して火にかける
  3. 水分が蒸発して乾いたら食用油を少量入れ煙が出るまで加熱する
  4. 野菜クズ等を炒めて捨て、自然に冷めるのを待って水洗いする
  5. 再度火にかけ水分を蒸発させる
  6. まだ暖かい内に油を染み込ませたキッチンペーパーで均一に塗りこむ

購入後にはまずこの作業を行ってくださいね!

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