「格安SIMだとキャンプ場や山間部では繋がらないのでは?」「通信料金が安いだけ?」など不安や誤解がある方も多いはず。格安SIMサービスに興味はあっても通信品質やサービス内容に不安があって乗換えられない方も少なくないと思います。今回はそんな不安を解消する格安SIMの仕組みや、アウトドアでもちゃんと使える格安SIMサービスについて解説します。

【格安SIMの誤解】キャンプ場や山間部では格安SIMは圏外になりやすいは間違い

「この前、山の方にキャンプに行ったんだけど、スマホが圏外で困ったよ、格安SIMってやっぱダメだね」

先日、こんなことを言っている方がいました。

知り合いではなかったので「それ、違いますよ」とも言えずそのままになってしまったのですが、もしかすると、同じようにキャンプ場等では格安SIMは圏外になりやすい等と思っている方もいるのかもしれませんね。

  • キャンプ場など、山間部では格安SIMは圏外になりやすい
  • 格安SIMだから、通話・通信エリアが狭いのはしかたない
  • 格安SIMは電波が弱いので、圏外になったり、アンテナが立たないことが多い
  • 格安SIMは、メールが届きにくく、SNSの閲覧もできないことがある
  • 格安SIMは通話音質が悪く、会話しずらい

こんなことを思っている方、いませんか?

実は、ここに挙げた事例は全て誤りです。

「そんなバカな」と思われるかもしれませんが、上記の全ては「格安SIMだから」という理由ではないのです。

【格安SIMとは?】なぜ安いのかの特徴や仕組みを理解して上手く活用しよう!

画像1: (筆者撮影)

(筆者撮影)

そもそも格安SIMとは何なのかが分かれば、先の事例がすべて誤解だということが分かるはずですので、その辺りから解説したいと思います。

まず、「格安SIM」について簡単にご説明します。

格安SIMとは、「大手キャリア(※1)よりも割安な料金で提供されるモバイル通信サービス(※2)」で、一部の例外を除いてMVNO(※3)が運営・提供しています。

※1 大手キャリアとは

NTTドコモ、au(KDDI)、Softbank及び楽天モバイルを大手キャリアと言います。

※2 モバイル通信サービスとは

スマホ向けの通信サービスで、SIMと呼ばれるチップをスマホに装着することで通信が可能になることから、大手キャリアよりも割安な料金で利用可能なモバイル通信サービスを「格安SIM」というケースが一般的です。

※3 MVNOとは

前出の大手キャリアは、自社で全国に通信回線を敷設し、管理・メンテナンスを行うことから「MNO(Mobile Network Operator 移動体通信事業者)」と呼ばれます。

これに対して、自社で通信回線を持たず大手キャリアから借り受けることで通信サービスを提供する事業者を「MVNO(Mobile Virtual Network Operator 仮想移動体通信事業者)」と言います。

自前の通信回線を保有するMNOに対して、「V(Virtual バーチャル)」が付くことで、自前回線を持っていないことを表しています。

一部を除き、「格安SIM」(格安料金の通信サービス)の多くはMVNOが提供しています。

つまり、「格安SIM」とは、以下のような特徴を持っています。

  1. 自社で通信回線を保有していない
  2. 大手キャリアから通信回線を借りて、「再販」(※)する形で通信サービスを提供している
  3. 料金はキャリアよりも割安
    莫大な費用・コストのかかる通信回線の敷設や管理・メンテナンスを行わず、地代家賃・光熱費・人件費など多大なコストがかかる店舗を多く持たないことで経費を削減し、割安な料金でユーザーに通信サービスを提供しています。

※再販…再販とは、仕入れた商品を再度販売すること。具体的にいえば、10人分の回線をまとめて仕入れて、利益を上乗せした上で1人分ごとに再販売することです。なお、大手キャリアから通信回線を借り受けるには「接続料」という、各キャリアが定めた回線貸出の賃料を支払う必要があり、その料金は割高だとの声もあります。

【格安SIMの誤解】品質が劣る・エリアが狭い・電波が弱いはどれも間違っている

画像2: (筆者撮影)

(筆者撮影)

格安SIMサービスで使用する通信回線自体は、大手キャリアの回線そのものですので、上記の「品質が劣る」「エリアが狭い」「電波が弱い」等は間違った認識であると言えます。

もし仮に、キャンプ場などで格安SIMが「圏外」になるとすれば、その場所では同じ通信回線の大手キャリアのサービスでも「圏外」になりますし、電波が弱い場所では大手キャリアでも弱くなるのです。

例えば、NTTドコモ回線を使った格安SIMが圏外になる場所では、NTTドコモ自体が圏外になっている場所であって、「格安SIMだから」「品質が悪いから」「料金が安いから」圏外になっているのではありません

逆を考えると、首都圏などで各大手キャリアが提供し、徐々に拡大しつつある「超高速通信」が可能なエリア(各社で呼び方が異なる)に入ると、大手キャリアのサービス利用者はもちろん、その回線を使った格安SIMであっても、超高速通信を利用することが可能です。

つまり、「品質が劣る」「エリアが狭い」「電波が弱い」等は、格安SIMの質や料金とは無関係で、大手キャリアの品質そのものが反映しているというわけです。

これは、NTTドコモに限らず、au、Softbankでも同様です。

ちなみに、2020年8月現在、大手キャリアの一角「楽天モバイル」はMVNOに通信回線の貸し出しを行っていません。

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