燻製を始めたいけど何をすれば良いのかわからない人へ、この記事では初心者に向けて燻製の基本をお教えします。最近ではアウトドアショップやホームセンターでも燻製用のチップが売られている程ポピュラーになってきましたが、数年前まで冬に燻製をしようとチップを探しても何処にも売っていなくて苦労したものです。今回は、色々な燻製の方法とおすすめの燻製器、燻製する食材についてご紹介します。

燻製(くんせい)とは:食材を煙で燻(いぶ)して風味を付ける&保存性を高める調理方法のこと

画像1: 筆者撮影

筆者撮影

燻製とは、食材を煙で燻して風味を付けると共に保存性を高める調理方法のことです。燻すことによって煙を食材に浸透させ、水分を蒸発させることによって保存性を高めます。

また、燻す前に塩漬けをすることで、食材に含まれる水分を追い出したり、保存効果をさらに高めることも可能です。

ただ昨今は、冷蔵庫等の発達によって、食材の保存効果よりも風味付けや熟成できることの方が注目されています。

燻製は温度の違いで『熱燻』『温燻』『冷燻』の3種類に分けられる! それぞれの食材に適した燻製を選ぼう!

燻製には温度の違う3種類の燻製方法があり、それぞれ食材にあった方法を選ぶ必要があります。

燻製の種類1:熱燻

『熱燻』は、温度を80度以上まで上げ、熱源を食材に近くして燻す燻製方法。80度以上で熱せられるため、当然食材には火が入り脂分は溶け出してしまいます。脂の多い肉などには不向きな燻製方法です。

熱しても溶けてしまわないものや、脂や水分の出ないものに適していますので、我が家ではナッツやゆで卵、ポテトチップ等を熱燻します。キャンプ燻製の失敗談あるある、「チーズの燻製を作ろうとして失敗する」のはこの熱燻をしてしまっているからかもしれません。

燻製の種類2:温燻

『温燻』は、30~60度位までで燻す方法で、食材に熱を入れない燻製方法です。

スモークウッド等に火を点けて燻製、または熱源を離してスモークするとこの温度になります。

我が家でも毎年年末に行うのはこの『温燻』で、ベーコン等の肉類やチーズ、ホッケやシシャモなど、ほとんどの食材は温燻できます。

燻製の種類3:冷燻

『冷燻』は、20度以下で燻製を行う方法です。熱源を遠く離し、煙自体の温度も下げる必要があるので、夏場は専用の燻製器がないとできません。煙も食材も冷えているため長い燻製時間が必要です。

我が家では、生のサーモンやイカなどを冷燻します。

【燻製の方法】いきなり食材を短時間燻して作るスモーク!ではなく、本来の燻製の作り方をご紹介

いきなり食材を煙で短時間燻して「スモークのできあがり!」という方法もアリです。これだけでも充分に香りが着きますから美味しい燻製ができあがりますし、お手軽でキャンプにはもってこいです。

ただ、家でじっくり腰を据えて燻製を作ったり、キャンプ場でゆっくりと燻製したいと思ったら、本来の燻製の作り方を知っていた方が幅が広がって楽しいと思いませんか?

ここでは、燻製の作り方4ステップをお教えいたします。

燻製のステップ1:『塩漬け』

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食材を塩漬することで余分な水分を抜くことが可能。また、腐敗を防ぎ熟成させ、風味を引き立たせることができます。

通常は冷蔵庫の中で1週間から10日間、ムラができないように毎日ひっくり返しながら、しっかり塩分を食材に浸透させます。

食材を漬け込む為の液体を『ソミュール液』と言い、食材の重さに対し4~20%の塩を水に溶かしお好みのスパイスを加えて味を整えたものです。

もちろんソミュール液を作ってしっかり塩漬けしても良いのですが、食材に直接クレイジーソルトなどをまぶしただけでも充分味も香りもついて美味しいです。

燻製のステップ2:『塩抜き』

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これは、ステップ1で入れた塩を抜く作業。弱い流水に2~3時間程浸します。

塩漬けで余分な水分を追い出し、塩抜きで塩分も抜いてしまうなんて可笑しな感じがしますが、この後行う『風乾』で、細胞に細かな隙間を作ってそこに煙を入れ込むため、この『塩抜き』は欠かせないステップなんです。

燻製のステップ3:『風乾』

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読んで字の如く、風に当てて食材を乾かす作業ですが、食材を熟成させて旨味をアップさせ、さらに腐敗を防ぐこともできます。干物のようなイメージです。

ただ、干物のように日差しにあてるのではなく、風通しの良い日陰の涼しいところで乾かします。水分が残っていると、痛んだり煙と水が反応して酸味が出てしまうので要注意です。

僕は塩分控えめで燻製するので、冬場にガレージの中で扇風機を回し、1昼夜風乾させています。

※夏場は腐る可能性があるため十分に注意してください!

燻製のステップ4:『燻製』

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いよいよ食材を燻す行程です。スモークチップやウッドを熱して煙を発生させ、食材を燻していきます。

チップの種類によって風味や味が変わります。サクラは香りが強いので魚や肉に、ヒッコリーやくるみは香りが大人しいのでスモークサーモンに合います。

また、りんごはマイルドで甘い香りなので白身魚や鶏肉に合います。ウイスキー等の洋酒を醸造する時に使われた、樽が原料のオークは甘く深い香りがします。

ピートモスと言う、植物が堆積して炭化した泥の粉末がありますが、これをチップに振り掛けると、大量の煙と共に深い香りが移り、食材をより美味しくしてくれるのでおすすめです。

私が使っている大きな燻製器では、朝8時頃から燻製し始め、20分に1度チップを足しながら、20時までの12時間掛けて燻製します。

小さな燻製器では20分程で燻製ができあがりますので、燻製器の大きさ、冷燻か熱燻か、チップかウッドか、どんな食材か、などによって燻製する時間が変わってきます。

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