ガイロープの張り具合を調節する『自在金具』は、テントやタープを設営するのに欠かせないアイテムです。多くのテントやタープに付属していますが、自在金具にはたくさんの種類があり、買い替えたり、買い足したりするときにどれを選べばいいのか迷ってしまうことも。そこで今回は、自在金具の種類や使い方について徹底解説します!
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自在金具とは何か

自在金具は、テントやタープのガイロープ(張り綱、ガイライン)の張りを調節できるアイテムです。
自在金具を使ってガイロープにテンションをかけることで、テントやタープをしっかりと設営できます。目立たない存在ではありますが、キャンプでは非常に重要な役割を果たす道具のひとつです。
自在金具はテントやタープを購入した際に付属していることが多いものの、単体でも購入できます。
さまざまな色や形状の自在金具が販売されているため、「おしゃれな色に変える」「ロープをより強く張るために別の形状に変える」といったことも可能です。
自在金具の強度

自在金具は主にアルミ製とプラスチック製の2種類に分けられ、アルミ製のほうが強度に優れています。
自在金具はロープの張りをキープするためのアイテムなので、強度が高いものが理想的です。そのため、強度を優先して選ぶ場合には、アルミ製のものを選ぶといいでしょう。
とはいえ、プラスチック製の自在金具も十分に用途を果たすことができ、強風でもとれてしまうことはありません。ただし、長く使い続けていると割れてしまうこともあるため、設営前に劣化していないかチェックしましょう。
自在金具の強度が心配な人は、ロープワークを活用して補強するのもおすすめですよ。
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キャンプで役立つロープの結び方7選!おすすめの紐の種類も紹介
自在金具の特徴や使い方を種類別に解説
ここからは、自在金具の特徴や使い方を種類別に解説します。紹介するのは「2つ穴タイプ」「3つ穴タイプ」「カタツムリ型タイプ」「ラインロック」の3種類です。
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【キャンプの基本シリーズ3】自在金具の使い方を含めた『タープの張り方』
2つ穴タイプ

2つ穴タイプの自在金具は、スタンダードな形状の自在金具です。
シンプルで扱いやすいため、キャンプ初心者に適しており、テントやタープに付属している自在金具は2つ穴タイプであることがほとんどです。
比較的なため、買い替えやすいのもメリット。一方で、3つ穴タイプの自在金具と比べると、ややロープが緩みやすいのは気になる点です。
使い方
- 自在金具の山側に輪ができるようロープを通し、先端に結び目を作る。
- 輪をペグに引っかける。
- テントやタープ側のロープをつかみながら、自在金具をテント・タープ方向に引っ張る。

3つ穴タイプ

3穴タイプは、大型のタープのメインのガイロープなど、強度が必要な箇所に使われることが多い自在金具です。
ロープが通る穴が多い分、摩擦力が働き、2穴タイプよりもロープが緩みにくくしっかりと固定できます。
使い方
- 三角形の頂点の穴(脇が隆起している個所)に、表からロープを通す。
- 脇が隆起している個所の反対側の穴の裏から、表にロープを出す。
- 3つめの穴の裏からロープを通し、結び目を作る。
- 2つめと3つめの穴の間の輪をペグの先に引っかける。
- 自在金具の3つめの穴の端を持ち、2本のロープが平行になるように自在金具を回転させ、テント・タープ方向に引っ張る。
- 自在金具を逆回転させ、ロープが緩まない状態にする。

カタツムリ型タイプ

カタツムリ型は、大きい穴の上部に、小型の穴と、中型の穴がひとつずつ配置されている、少し変わった形状の自在金具です。
大きく分けると3穴タイプに分類されるものの、一般的な3穴タイプとは特徴や使い方が少し異なります。
カタツムリ型は固定力が高いことに加え、ペグだけではなく、木などにぐるっと巻いて固定できることが特徴です。そのためハンモック泊にも適しており、ベテランキャンパーに愛用者の多い種類です。
使い方
- 中型の穴にロープを通し、結び目を作る。
- ペグにロープを引っかける。
- 自在金具がついていない側のロープに輪っかを作り、大型の穴に通す。
- 通した輪っかを小型の穴が開いている突起に引っかければ完成。
ラインロック(三角形自在パーツ)

ラインロックは矢印のような形状をしたもので、山岳用テントなど、軽さが求められるアイテムで主に採用されている樹脂製の自在です。
樹脂製のため正確には「自在金具」ではありませんが、ロープの張りを調節するアイテムとして、一般的な自在金具と同様の機能を有しています。
軽量なほか、夜間の視認性がいい蓄光(グロウ)モデルがラインナップされているのも特徴です。一方で、金属製と比べるとやや耐久性に劣るのは難点です。
使い方
- 矢印の先端(写真上側の頂点)の下側からロープを通す。
- 矢印の斜面(写真右側)に沿ってロープを通す。
- 矢印の細い部分(写真左側)の下からロープを通し、結び目を作って完成。

自在金具がないときや壊れたときのロープの結び方

自在金具はとても小さなアイテムのため、無くしてしまうケースもあります。
また、破損してしまったり、メーカーによってはテントやタープに自在金具が付属していなかったりすることもあるでしょう。
手元に自在金具がないときには「自在結び(トートライン・ヒッチ)」と呼ばれるロープワークを使えば解決できます。自在結びを習得して、万が一の事態にも備えておきましょう。
自在結び(トートライン・ヒッチ)
- ペグにロープを引っかける。
- ロープの先端を軸となるロープの上からかけ、ペグの方向に2回巻きつける。
- ロープの先端を引っ張りロープを締めたら、タープ側に向かってロープを伸ばす。
- ロープの先端を軸となるロープの上にかけて小さな輪を作り、輪の下側からロープの先端を通す。
- ロープの先端を引っ張り、結びを締めれば完成。
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自在金具を使いこなそう!

今回は、自在金具の種類や使い方について解説しました。
自在金具は目立たないアイテムですが、テントやタープを張るのに欠かせない、縁の下の力持ち的存在です。
自在金具の種類ごとの特徴を知り、うまく使いこなして、安全かつスムーズにキャンプを楽しんでくださいね。